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AC/DC

AC/DCの一連のアルバムが紙ジャケで再発されていたのでこれは全部買わなきゃと思ったけど、流石にそれはバカなので悩み悩んだ挙げ句、次の2枚を購入。でも最終的には全部買うと思いますが(笑 Dirty Deeds Done Dirt Cheap If You Want Blood You've Got It 悪事と地獄は(恥ずかしながら)持っていなかったので。 ギター殺人事件はライブなのでLPからのリッピングが面倒くさそうなので。 とにかくボクはハードロックが好き! サバス系のバリバリガリガリしたヘビーメタル、ハードスタッフ系のドンスカしたヘビーロック、フリー系のブルースベースのハードロック、そしてパイやAC/DCやフォガットに代表されるハードブギ。 この中でも現役なのはやっぱりAC/DCだしね。 以下、某所からの引用(自分で書いたんだけど) 「AC/DCっていう変なバンド名は、交流と直流どっちもOK、つまり両刀使いという意味でして。あっ僕はそんな趣味はないですけど。で、ギターの奴が学 生服着てランドセルを背負って出てくるんですよ。おまけに頭はヘッドバンギングしながら、足は”両足で”交互にリズムを取り、さらにリードギターを弾くん ですが、こんなこと世界中の誰も真似出来ません。それに、ステージはおろかホール中を駆け回るという体力もあるし、ボーカルの奴は変な帽子被って声変わり してないような声を出して歌うんですよ。 でも決してイロモノじゃなくて、古来からのブギ・ロックを現代に伝承する偉大なバンドなんです。ノー・ギミック、ノー・エレクトリックでつまらないギター ソロもやらず、リフとリズムカッティングとリズム隊、それにボーカルだけでエキサイティングな音楽をやってくれます。異星人から地球の代表的な音楽を聞か せてくれと頼まれたら、僕ならビーフハートとスティーリー・ダンとAC/DCを聞かせますね。 ただ惜しむらくは数年に1枚しかアルバムを出さないし、20年に1回しか来日してくれないんですよ。次の来日は2020年だから、お互い生きていないかもしれませんね、はっはっは」 これは力作だったなぁ。

Amy Winehouse / Back to Black

名前と顔だけは知っていたのだけど、MOJOなど向こうの雑誌で大絶賛されていて、とうとうMOJO誌の表紙を飾る(この写真がまたエラく格好良い)までになったエイミー・ワインハウス。 ようやく9月に日本盤が出て、日本発売が遅れたお詫びにボーナス6曲、値段も2000円を切る積極プライスだったので買ってみました。 ひぇ〜、申し訳ございません。もっと早く輸入盤で聴いておくべきでした。英国人なのにブルース感覚溢れるソウル! えーっと、Dusty in Memphisのモダン版というか、これは本物のソウルですよ。 そこらのナンチャッてソウル・ディーバ達とはモノが違いますな。 昔から、ブルースやソウルに憧れ、なりきってしまう英国人は数多く、ブリティッシュブルース、ブリティッシュソウルとして一定の人気はあるのですが、久々の大物登場ですね。特に女性としては・・・うーん、90年代のアシッド・ジャズのブームの頃に誰かいたっけ? というくらい久し振り。 しばらく聴きまくることになりそう。

Best Re-Issues of The Year

同じくUNCUTの選んだ再発ベスト20。 とてもじゃないけど10枚に収まらないので20位まで紹介。 Joy Division / Unknown Pleasure Sonic Youth / Daydream Nation Sly & The Family Stone / There's A Riot Goin' On Neil Young / Live At Massey hall Young Marble Giants / Colossal Youth Pink Floyd / The Piper At The Gate Of Dawn Leonard Cohen / Song Of Leonard Cohen Fairport Convention / Lige & Lief David Bowie / Young Americans The Bonzo Dog Doo-Dah Band / Gorilla Gene Clark / Gene Clark with The Gosdin Brothers Prefab Sprout / Steve McQueen Stephen Stills / Just Roll Tape Karen Dalton / Cotton Eyed Joe Seefeel / Quique Moby Grape / Moby Grape Trees / On The Shore Lou Reed / Berlin Dexy's Midnight Runners / Too-Rye-Ay The House Of Love / The House Of Love リアルタイムで買ったのが8枚、後追いで聴いたのが6枚、ベスト盤あるいは発掘盤で結局聴いているのが3枚。 結局キャレン・ダルトンのライブとステファン・スティルスは買うだろうから、なんだほとんど全部聴く事になるじゃん。 これだけ再発ラッシュが続き、さらに新しい音も追いかけないといけないワケだから、若い人は大変だろうな。

Best 10 Album by UNCUT

英国のUNCUT誌が選んだ2007年ベストアルバムのトップ10 LCD Soundsystem / Sound Of Silver Arctic Monkeys / Favourite Worst Nightmare P.J.Harvey / White Chalk R.Plant & A.Krauss / Raising Sand Wilco / Sky Blue Sky Robert Wyatt / Comicopera The Holdsteady / Boys And Girls In America The White Stripes / Icky Thump Radiohead / In Rainbows Klaxons / Myths Of The New Future なんつうか意外な感じですね。UNCUTという雑誌の性格からすると1位は特に意外。NME辺りと同じかと思ってしまいますよ。 3,4,5,6辺りはUNCUTらしいチョイスですが。 UNCUTのここ数年のベストアルバムはWarren Zevon, Bob Dylan, Brian WIlson, Arcade Fireですから、今年だけどうかしちゃったんですかね。

The Song Remains The Same

あーぁ、買ってしまった(笑 DVDもあるし、聴かなくても内容は判るし、パスしてもいいかなと思っていたのだけど、HMVで現物がズラっと並んでいるところを見て、思わず手に取り、LP未収録曲が6曲もあることに目が眩み、思わず購入してしまいました。 しかしなぁ、当時はLP2枚組だったので泣く泣く収録を諦めたんであって、これがジミー・ペイジでなければ2枚組の値段でLP3枚にして出すなんてことをしたんだろうな。 先日のリユニオンコンサートもいずれDVD/CDでリリースされると思うけど、その前にまずこのCDで本来のゼップを思い切り堪能して、ゼップの疑似体験をしてからリユニオン体験して欲しいですね。

Rocky Horror Picture Show

やはりディスクの中を整理していたら出てきたビデオファイル。 だいたい10年位前に20世紀FOXが配布していたデータみたいですね。 あまりに感動的な場面なので、YouTubeに転がっていた現代の技術でencodeした高画質ファイルを貼っておきます。 ロッキーホラー・ピクチャー・ショーについては多くの人が語っている中から、自分で書いたコメントを引用。 ロンドン・キャストは当然(?)観てないとしても、ジョーン・ジェット主演の2000年ブロードウェイ版はチケットが取れず、イーストビレッジの映画の方はびびって入れずで、映画とDVDでしか観てないのが自分的にはちょっと情けない。 昔、はじめて映画館で観た時は、これとモンティ・パイソン・アンド・ナウの二本立てだったような記憶が。60年代~70年代初頭のロンドンというキーワード・リンクだったんでしょうか(笑) いわゆるサブカル系キーワードがちりばめられていて、観る人によって自由な解釈が可能なところがカルトな人気を得ている最大の理由かな。 ラストで歌われる「I'm Going Home」、フランクン・フルターは帰るのかもしれないけど、映画のメッセージとしては「あっちの世界に行こうよ」と誘っているんだよね。実際に行っちゃった人も世界中に大勢いそう。 あっちの世界への入口はもちろん「The Time Warp」が歌い踊られるあのホール。 あ、若い頃のスーザン・サランドンが綺麗で、おまけにちょっとエッチ。この頃から大好きで、「僕の好きなアメリカンお姉さん御三家」の一角を占めてます。

Led Zeppelin Reunion

風邪で3日間臥せっている間に世間は大きく変わりましたねー。 やはり一大事件はLed Zeppelinの再結成でしょうか。 寝て、起きたら終わっていたという感じで、リアルタイムにウォッチできなかったのがちょっと残念ですが、今はYouTubeとかもあるし追体験する材料には事欠きません、たぶん。 Creamのちょっと情けない再結成よりは今回は多少まともなのかなと期待したいです。 今朝は早起きしたので世界で何が起きているのか調べようとテレビをつけたら、いきなりレッド・ツェッペリンの再結成ライブのニュースが。驚きました。朝のワイドショーのネタとしてゼップの2回目の再結成が取り上げられるのか!? まぁワイドショーなので、これがアーメット・アーティガンの追悼コンサートであることとかはどうでもよくて、チケットの値段がオークションで幾らになったとかそんな話題が中心ですが。 で、小倉智昭氏(洋楽ファン、ゼップの初来日公演も見てる)が「でも、日本じゃディープ・パープルの方が人気あったんだよなぁ」という発言に思わず膝を打ちましたね。 そうだよ、リアルタイム的にはパープルの方が人気あったんだよ。判り易いアレンジ、情緒的な演奏、シンプルで意味のない歌詞、歌謡曲みたいなハードロックをやってたバンド。で、オレ達知的な(笑い)ゼップファンは「Burn」以前のパープルはエンターティナー、ゼップはパフォーマーとして捉えていたもんな。 パープルを認めるようになったのはファンキーなFreeみたいな音を出し始めたデビカバ加入後のBurnからだもの。 あの頃、ミュージック・ライフとか音楽専科とかいったミーハーな雑誌を読んではパープル最高と言っていた青少年たち、まさか今回のゼップ再結成を「ツェッペリン尊敬していたんだよ、あぁ観に行きたい・・」とか言ってないだろうな(笑 あ、そういう人たちは既にロックは卒業しているか。 考えてみれば、ゼップもサバスもあまり人気なかったもんな。パープルとかELPとか判り易くて情緒的なのは日本では×。ストーンズやディランやフェイセズのあのルーズなノリも70年代一般的なロック少年には人気なかったもんな。その代わり、キッスとか大西洋を渡った後のロッドとか。 ここら辺の昔話をすると、根っからのロック少年だったのか、根は歌謡曲だけどお勉強としてロックを聴いてたか判っちゃうから恐ろしいね。 ロキ

The U.S. vs. John Lennon

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The U.S. vs. John Lennon、邦題「ピース・ベッド」を観てきました。 公開初日なのに席は1/4くらいしか埋まってません。忘年会シーズンの土曜日の深夜ということもあるのかもしれないけど意外。 無邪気にアメリカと対峙していたジョン・レノンが、どんどん思索を深め行動的になり成長して行き、そしてある一線を越えてしまった。 具体的にはアビー・ホフマンとかジェリー・ルービンあるいはブラック・パンサーとの結びつき。 あまりに巨大になったジョン・レノンに脅威を感じた当時のニクソン大統領、フーバーFBI長官たちがジョンを国外追放しようとする・・・というのが全体のバックボーンで、これを掘り下げる事でジョンの人となり、その存在が何であったかを明らかにしようという、これは非常に優れたドキュメンタリーでした。 ジョンのファンであれば一度は見たような映像、写真がふんだんに使われそういった面での新発見はあまりありませんが、こうして整理されて提示されると良く判りますね。 1966年の疲れが見え始めたビートルズから1976年のショーン・レノンの誕生までの約10年間、激動の60年代後半と内省の70年代前半に関して予備知識があればさらに良く判ると思います。 たとえば、ジョージ・マクガヴァンが何故あれほど期待されたのかとか、アビー・ホフマンやジェリー・ルービンがその後どういう活動(転向)をしたのかとか、ちょっと調べて観に行くのが良いかと。 あと恥ずかしながらこの映画で初めて知った、ニクソンがあれほどジョンを脅威に感じた理由。アメリカでは1971年に選挙権が21歳から18歳に引き下げられ、一気に1000千万人以上の「若い」有権者が登場しました。その新しい有権者に大きな影響力を持っていたのがジョンなワケだからそりゃぁ脅威に感じるわけですよね。 徴兵は18歳からだしベトナム戦争は真っ最中だし、政治的意識の高い有権者1000万人ですからね。 今の日本で選挙権を18歳に引き下げたら、大量の衆愚発生だな/w あと、小さなことですが、ジョン・シンクレアの救援コンサートが開催される場所、「ミシガン州アナーバー」と字幕に出てきます。実際の発音はどうであれ、このミシガン大学のあるこの大学町の名前は我々音楽ファンにとっては「アン・アーバー」として知られている場所です。10万人収容の大ホールがあるんですよ。

Blind Faith at Madison Square Garden

今夏のCrossroads Guitar Festivalで25年振りの共演したStevie WinwoodとEric Claptonが2月にマヂソン・スクエア・ガーデンで再びライブをやるそうです。 年明けにはWinwoodの5年振りくらいのニューアルバムも出るので、それの景気付けということでしょう。 Blind FaithのMSGライブというと1969年だから、この二人でMSGに出るのはほぼ30年振り。 あの時のライブはBlind Faithのアルバムのポップさよりも、真っ黒けでブルージーな演奏が強かったように記憶してます。Stormy Mondayとか延々と演奏したりしてね。 といかにも観てきたように書けるのも、このジャケット写真を粗雑にコピーしたようなブートレグを何故か持っていて、あのBlind FaithのMSGライブだと有り難がって何度も何度も聴いていたから。 このライブも正式な発掘ライブ、できれば前座も含めた完全版が待ち遠しいですね。 なにせ、前座はドクター・ジョンとデラニー&ボニー。 つまり、ここでの共演を契機にクラプトンはBlind Faithを捨ててデラボニとくっつき、英国スワンプが始まる訳ですから。 そういう二重の意味で興味深いライブなんだけどなぁ・・・

CISCO

老舗の輸入レコード屋CISCOが店舗販売を止め通販に特化するみたいです。 告知 が出てます。 TowerとかHMVといった大型輸入レコード店が日本進出する前は、輸入レコード屋はこうしたマニアックなお店が主流だったんですよ。 英国モノに強いとか、NWに強いとか、中古の品揃えが多いとか、みな何らかの特色を出していて、こういうレコードを探すのはあの店、こういうのこっちの店という具合に、渋谷や新宿を歩き回りながら買い集めたものです。 だからTowerが進出してきた時も別に驚きもしないし嬉しくもなかったですね。品揃えは普通だし、そんなに安い訳でもないし。ただそれまで輸入レコード を買うという習慣のないライトな洋楽ファン(つまりマジョリティ)が輸入レコードを抵抗無く買うようになったのはやはりTowerの功績だったんでしょう ね。 ボクもここ10年以上Ciscoには足を運んでいないけど、渋谷の街などであの青いレコード袋を見かけるたびに、あぁまだCiscoは健在なんだなぁと嬉しく思っていたんですが、もうあの袋を見る事もないのかと思うと寂しい限りです。

Girl On A Motorcycle

邦題は「あの胸にもう一度」 意外とコンスタントに映画に出ているマリアンヌ・フェイスフルの久し振りの主演映画「やわらかい手」の公開を記念して、彼女の大出世作である「あの胸にもう一度」が文化村(しかし、この恥ずかしい名前なんとかならんのか。自分をニヒリストと自称するニヒリストはいないぜ)でリバイル上映。 今月いっぱいは上映していそうなので、時間があれば観に行こうかなぁ。 7日までは毎日、それ以降は金/土だけのレイトショーなので凄い混む予感もします。 以前コレクターズエディションDVDのオマケで付いてきたTシャツを見せびらかしに行きたい気もしますし(笑 とにかく裸に皮ジャン、ビッグハーレー。 このイメージで映画を撮り切ったのが偉いです>ジャック・カーディフ 関心空間: あの胸にもう一度

映画の日

12月1日は年に一度の映画の日・・・ってことを失念してました。 11/30日の時点では「明日は12月1日」と認識していたのに、朝起きたらすっかり忘れていました。 新聞を読んでもTVを観ても気がつかず、夕方になってようやく「あ、今日は12月1日だ、映画の日だ!!」 くぅー、午前中に気がついていれば、どこか映画館へ行って安く観たのになぁ。 都内だとどこも満員になるんだろうけど、地方はほら娯楽の宝庫ですから(笑、わざわざ金払って暗い場所で2時間もじっとするなんてことしませんから。映画の日であっても空いてます。が、行けなかった。 まぁ公開中のプログラムをチェックしてみると、敢えて観なくちゃいけない映画は見当たらないので諦めは付くんですが。 もっとも、安く入れる日はどうでもいい映画観ますけど(笑

Morrison Hotel / The Doors

The Doorsの5枚目。 1970年発表だから、ボクがロックを聴くようになるずっと前に出たアルバム。 当時(たぶん今も)ドアーズは1枚目傑作、2枚目大傑作、それ以降パワーダウンして、ライブが出て、L.A.ウーマンが遺作になったよという認識をされていたと思います。 なので、ソフト・パレードとかモリソン・ホテルは、「ドアーズがお好きだったらどうぞ」というアルバムでしたね。 たぶん、ドアーズをサイケデリックなロック、文学的なロック、知的なロックという捉え方をしている限りはたぶんそうなんでしょうね。 ただ80年代以降、アウトテイクとか未発表ライブが出回るようになって、日本では今イチ判らなかったドアーズの別の側面が見えてきた。要するにドアーズって「LAのアングラブルースバンドじゃん!」 そういう目でみると、実はドアーズって全部傑作、捨てアルバムなし。もちろん初期と後期では音の感触は大きく違うけど、ダークでブルージーな後期の、特にこのモリソン・ホテルと最後のLAウーマンのブルース感覚は病み付きになりますね。 このアルバムのA面はHard Rock Cafe、B面はMorrison Hotelというのだけど、ジャケット裏にはHard Rock Cafeというカフェの写真が使われていて、あのハード・ロック・カフェもそこから名前を頂いたらしい・・・というのが定説だったんだけど、実は こういうこと だったようです。

Recent 10 Tracks from Last.fm

サイトのサイドバーにLast.fmの「Recent 10 Tracks」というブログパーツが表示されているかと思います。 読んで字のごとく、iTunesまたはiPodで聴いた最新の10曲ということですね。 自宅PowerBookで聴いている場合はそのトラックがリアルタイムにLast.fmにアップされ、iPodを繋げて同期させる際にはiPodでの最新プレイトラックが吸い上げられてLast.fmにアップされ、誰かがこのブログを閲覧した時にLast.fmからその最新10曲の曲名が送られるという仕組みです。 まぁそういうややこしい仕組みは置いといて、要するにこいつはさっきまで何を聴いていたかというのが一目瞭然の恐ろしい仕組みでもありますね。 今の設定では曲の長さの50%以上(例えば5分の曲なら2分30秒以上)聴いたら1曲とカウントしているので、例えばちらっとイントロ聴いてスキップしてしまった曲はカウントされていません。 だからPink FloydのAtom Heart Motherなんかはもう一生カウントされませんね(笑 しかし、最近自分のRecent 10を見ていてつくづく思うのは、これ欲求不満の塊みたいな高校一年生のリストだね。 メタリカにサバスにラモーンズ。しかもメタリカのはモーターヘッドのカバー。40歳後半の男が聴くリストとしては殺伐とし過ぎている(笑 まぁ考えてみれば、地下鉄車内でふと我に返ったらジェームズ・ヘットフィールドの形態模写をしていたこともあるし、ハードロック系の曲には抗えない部分もあるし、まさにロック野郎はハードロックが基本なんだなと思う。

Hard Woman / Mick Jagger

Mick Jaggerのソロ初期2枚は俺的にはLP時代だったので、CDでは出ていたがLPで持っている。でも未だリップしてない。 大昔の「パフォーマンス」の曲まで入ったベストだというので、LPからのリップに手間をかけるよりベスト盤を買った方がいいかと思ったけど、なんと肝心の初期2枚からの選曲が少ない(笑 うーん・・・と悩みつつ曲名を見ていると、「Hard Woman」も入っていない。あのPVもDVDには未収録。なんてこったい。まだロクなCGすら無い時代にモーションキャプチャと(今にしてみれば)簡単なCGを駆使して、かつてない映像を見せてくれたあの傑作PVがないとは。意外とセンスがないのか、権利関係で出せないのか。 そのHard WomanのPVはYouTubeで見つかったけど、とりあえずボク的にはこのベストは見送りとしたいです。

デレク・トラックス・バンド来日

昨年のクラプトンのツアーに同行し、デュアン・オールマンの再来かと思わせるようなギターを披露し、クラプトンのバンドがまるでデレク&ザ・ドミノスであるかのように錯覚させてくれた功労者のデレク・トラックス。(もちろん。ドイル・ブラムホールも忘れちゃいけないが) そのデレクが自分のバンド「デレク・トラックス・バンド」で来日公演中。 どうしようか迷っているうちにチケットはソールドアウト。追加公演もソールドアウト。追追加公演の11月25日だけは間に合うらしいという状況で、じゃぁ25日の来日公演初日を当日券狙って行こう! と考えていました。 カレンダー上は、11/25(日)、11/26(月)、・・・なんですが、何故かボクの頭の中では、11/25(月)、11/26(火)と1日ズレていまして、月曜日のお昼になってから「じゃぁ、恵比寿へ行って当日券の行列に並ぼう!」と決意。 いちおう当日券の有無とホールの場所を確認しようとウドのサイトにアクセスしてみたら・・どうも日付を間違え、とっくに初日は終わっているらしい。アホですな。 もうチケットはないし、まさか名古屋や大阪まで行く訳にもいかず、今回のツアーは断念です。 教訓:カレンダーは確認しよう! ライブDVDが出ているので、とりあえずこれで我慢だ。

The Joshua Tree

区切りが良いので25周年とか30周年というのは多いが、「20周年記念」というのは珍しいような気もするU2の「The Joshua Tree」。 リマスター盤+シングルB面/未発表曲CD+ライブDVDに54ページのブックレットというパッケージで、US盤やUK盤は既に発売になってます。日本盤は12月に入ってから発売。 しかし、Warの20周年記念盤は出てないと思うけど、ヨシュア・ツゥリーは出る訳ですね。なんか理不尽な感じがします(笑 U2はデビュー時からリアルタイムに全部聴いていて一緒に成長したというある種の連帯感を持っていまして、U2の歩みを振り返ると Boy : 久々の若手ギターNWバンド October : いきなりの傑作。ハードエッジなNW。日本でも人気ゲット。 War : 音、メッセージ共文句なしの傑作。アメリカで人気ゲット。 Under A Blood Red Sky : ライブも青臭いがアルバムとしても傑作。 The Unforgettable Fire : イーノがプロデュースでイメチェン? ダニエル・ラノワって誰? The Joshua Tree : U2のアメリカ発見・・・ なので、U2というバンドの最初の傑作はOctober/Warあたり。まぁ実績からすればWar。 そしてU2がさらに一皮剥けて「化ける」のが彼らがアメリカを発見した後に制作/発売されたThe Joshua Tree。 うーん、たしかに大きな意味で捉えればこっちの方が意味が大きいのか・・・

Lindsey姐さん

YouTubeで見つけたグレートな若手ブルースシンガーLindsey08senちゃん。 なんとLou Ann Bartonの「Can't Believe You Want to Leave」をカラオケで見事に歌いこなしています。 他にもLou Annの曲を歌っているビデオがアップされていますが、このリラックス(し過ぎ?)バージョンが一番良いですね。 よく見ればわかりますが、Lou AnnのCDをBGMにリップシンクしている訳ではありません。ちゃんとご自身で歌っています。 こんな一般人(それも20歳そこそこですよ!)がゴロゴロいるとは、アメリカ南部は恐ろしい。 いるんだよなぁ、こういう南部系火の玉ネェチャン。 昔、アトランタのブルースバーで、もう少し年増の南部ネェちゃんから、マッチを貸せ、タバコをくれ、ジャックを飲ませろ、タクシーを呼んでくれと絡まれたなぁ、あ、あの人は職業がちょっと違うか(笑

ヨイトマケの唄

1960年代、戦後は終わったが戦争の記憶は生々しかった時代にあの時代の日本でしか産まれえなかった名曲。 オリジナルは美輪明宏こと丸山明宏。 歌詞中の「土方」という言葉に過剰反応した民放各局が放送を自主規制したが為に、長らく一般の人にとっては幻の名曲だった友言われるらしい。ただしNHKはそんな職業差別はせず普通に放送していたはずなので、幻の名曲という言い方はちょっと怪しいかも。 母の愛は海よりも深く、父の愛は山よりも高く、だからお袋がセイラーだったころ親父はモンブランだったというギャグが成立するんだけど(おいおい)、その母の愛情、親への愛情を歌う歌詞には普遍的な崇高さが漂いますね。 ビデオはそんな名曲へのリスペクト感濃厚な桑田君のカバー。オリジナルはシャンソンシンガーが歌う演歌だったけど、こういうアレンジで聴くと、現代的な耳には丁度良い加減ですね。 過去、この曲を聴いたシチュエーションの中で最高だったのは、ある映画館のレイトショー。開演前にこの曲が流れていました。レイトショーの内容は美輪明宏の「黒蜥蜴」と石井輝男の「恐怖奇形人間」の二本立て。もちろん黒蜥蜴に敬意を表しての選曲なんですが・・

Billy Elliot

もうすっかり大人のジェイミー・ベル君の出世作(というかデビュー作)「リトル・ダンサー」。当時は子供のダンス映画〜? とバカにしつつ観に行ったのだけど、観たら納得。今なお語り継がれる傑作です。 一般的には「青春映画」、子供がその輝かしい未来への扉を開くという映画なんだけど、僕的には音楽と時代背景が自分自身の若いころとダブってしまい、灌漑深いものがあります。 まず音楽が最高。メインでフィーチャーされているのがT・レックス! 時代背景は1984年頃の英国の炭坑ストなので、実はT・レックスとはちょっと違うんだけど。 だっていきなり「Cosmic Dancer」で始まるんですよ、この映画。それ以外にも「Get It On」とか「Children Of The Revolution」、それに「Ride A White Swan」といった曲が、場面にぴったりはまって選曲されているだもの。 時代背景とシンクロする選曲としては、ジャム(体育の授業をサボるシーン、落書きに「JAM」と書いてあって苦笑)にスタイル・カウンシル、それにクラッシュなども。要するにあの時代の英国労働者階級の匂いをぷんぷんさせる選曲なんですよ。 特にビリーが文字どおり地団駄踏むシーンでJamの「悪意の街(Town Called Malice)」とかはほんと、すばらしい選曲。 もちろんこのシーン、ビリーがどうにもならぬ自分の感情を爆発させるシーンでして、その方向がダンス。自分の未来を選択して行こうとする少年が様々なしがらみなど思うように行かぬ自分の心象風景を映像化したものとしては最高の部類に入ると思います。 それと時代背景。サッチャー政権の規制緩和、構造改革(←最近どこかの国でも頻繁に耳にする言葉)の象徴として、狙い撃ちにされた英国南部の石炭蚕業。炭坑の閉鎖などに対抗して炭鉱夫が大々的なストをうち、それに対して国内が二分されちゃったんですよ。日本の普通の人はどうだったか判らないけど、当時の NW系英国ロックを聴いていた人にはかなり身近な話題だったはず。 そんな時代に炭鉱夫側の立場で発言し行動し続けたジャム(=ポール・ウェラー)やクラッシュの曲が使われているのは、この映画の作り手側の思いがどこにあるか、一目瞭然です。 そのような時代背景を重ねることによって、単なる成長物語りではなく、消え去って行く者(ビリーのお父さん

Factory Girl / Edie Sedgwick

女工哀史ではないです。 ストーンズでもないです。 60年代のスーパー・モデル、イーディ・セズウィックの伝記映画。 米国では春頃公開されたけど、結局日本では未公開のまま終わるんでしょうか。 超上流階級からドロップアウトしアンディ・ウォホールと出会う事でファクトリーに出入りし、ファクトリー〜ディラン〜ベルベッツ〜NYパンクのミューズとなった女性。 Dylanの「Like A Rolling Stone」は彼女のことを歌ったものらしくディランはこの映画の公開を差し止めるよう求めていた。またイーディをアイドルと公言するパティ・スミスは彼女の死後、追悼詩を書いている。 という女性をモデルにした映画なのだからミニシアター系でも公開していいと思うんだけど、それでも公開されていないのは理由があるに違いない。おそらく ・ディランからのクレームを恐れて配給会社が手を引いた ・実はたいしたことのない、中身の無い映画だった どうも後者くさい・・・

Foghat 後日談

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はい、これがフォガットサイトのツアーのライブ・アルバムにして今のところFoghat最後のアルバム「Road Case」です。 (King Biscuitシリーズを除く) ライブは相変わらずのテンションです。もっとも、実物を観たことがないので想像ですが(笑 でもこのライブCDで聴ける限りでは全盛期と変わらぬテンションです。 しかし2000年2月にLonesome Daveは癌で亡くなってしまいます。 結局生のライブを観る事はかないませんでしたが、今後も彼とFoghatの残した音源がどんどん出てくるでしょうし、噂のライブの片鱗だけも味わえる音や映像も発掘されると思います。Lonesome Dave がいないFoghatを買うことはもうないでしょうが、彼の居た時代のFoghatについては、たぶん出れば即買いということになるのでしょうね。 そう、Lonesome DaveとRod Priceの両親分に隠れ忘れられがちががプロデューサのNick Jameson(一時期ベーシストとしても参加)は元々はBeasvilleのハウスエンジニア兼プロデューサーです。BeasvilleにはTodd Rundgrenという花形がいたので、彼の方はあまり目立っていませんが、SparksやP.Butterfield意外なところでChris Smitherなどのアルバムで名前を見つけることができます。 Foghatが80年代にBeasvilleを離れてからの消息はよくわかりません。唯一1986年にMotown(!)からソロ・アルバムを出しています。ジャケット写真からすると彼に間違いないと思います。中身はAOR寄りのホワイトソウルです。 最後にフォガットのディスコグラフィを記載しておきます。 70年代と90年代はどれを最初に聴いても絶対後悔することはないと思います。 ちなみに1999年のKing Biscuit Flower Hourはテンションの高いライブ演奏が聴ける好盤です。 が、同じ内容の「Hits You Remember Live」あるいは「Live 2000」というCDがちゃんとしたレーベルから出ています。 ボクは知らずに買ってしまい泣きをみましたが、買うならFoghatの意志として発表した「King Biscuit Flower Hour」を。 Discography 1972 Fo

Return of Foghat

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1994年にオリジナルメンバーに戻って「Return Of The Boogie Men」を発表。 昔と変わっていません。さすがに多少テンションは落ちていますが、自分達のやりたい音だけを出していると思うし、曲のレベルも高いし、さすがに苦節25年のベテランらしいアルバムです。ちょっと時代を感じさせるのは、アコースティックセットが入っていることです。でもそれはそれで彼等にとっても新しいチャレンジなので文句は言いません。 僕も最初はどうかなぁと思って聴いたのですが、これならOK。昔より渋いし。あぁ後はライブが観たいよ〜、Lonesome Daveは年を取ってもワイルドなのかなぁ? などと思っていたら... この面子でツアーにも出てしまいました。 今回の再発からは何故か落ちてます。なんでだろう・・・

Foghat at last

1982年のラスト・アルバム「Zigzag Walk」 英国のNW系バンドがチャートを席巻していたこの時期、もうこういう音に対する需要はどんどん少なくなってきてようで、最後もどっち付かずのこのアルバムを出して長いようで短いFoghatの活動はとりあえず終わることになりました。 今回の再発でも例えばStone BlueとZigzag Walkの値段が同じというのは納得いかないですね。Stone Blueが2,500円ならこっちは500円くらいでもいいと思います。   そして、このアルバムを最後にBeasvilleを離れ、レコード会社との契約は打ち切り、ツアーで、いわゆる営業バンドとして活動をはじめます。が、結局それもうまくいかず、1985年にはすべての活動を停止してしまいます。 (正式に解散を発表したのは1990年。逆にいうと、それまでの数年間、僕も含めたファン達は、いつもFoghatのニュースや新アルバムの噂をチェックし待ち続けていたのです) さらに1985年から1990年まで、ドラムのロジャー・アールがFoghatの名前を借りてロードに出ていました。 Eric CartwrightとCraig MacGragorも一緒だったので、まぁ最後期とあまり違わない音を出していたのだろうと思いますが、Lonesome DaveのいないFoghatをFoghatと認める訳には行かないというのが正直な心情です。 同じ時期、Lonesome Daveは元モリー・ハチェットなど若手ミュージシャンとバンドを組み、クラブ回りなどをしていたようですが... 1990年になるとLonesome Daveの方もFoghatという名前を名乗ります。したがって、1990年から1993年にかけて、米国内にはFoghatという名のバンドが2つ存在したことになります。 ひとつはRoger EarlのFoghat。創業者が辞めた老舗旅館を堅実に守った番頭さんのバンド。 もうひとつはLonesome DaveのFoghat。自分が創業した旅館をいったん辞めるも夢捨てきれず、同じ看板で新たに創業したバンドというところでしょうか。

Foghat '80s

美しかったフォガットの70年代が終わり、80年代は試行錯誤の時代。個人的には試行錯誤なんかしなくても、ブギロック道を追求していれば何の問題もなかっただろうにと思うのですが。 1980年代に入っての最初のアルバムが「Tight Shoes」。フィオルッチの広告みたいなカバーで、内容もかなりテンションが落ちて来ています。 1981 年には「Girls To Chat & Boys To Bounce」を出しますが、ロッド・プライスが抜けて代わりにEric Cartwrightが入ったり、プロデュース兼ベースにNick Jamesonが戻ったりと人間関係のごたごたも続きます。音の方は80年代パワー・ポップ。 それでもけたたましいサウンドにポップなメロディそしてキメのフレーズというFoghatらしさは残っていたのでファンとしては見放させないのです。 1981 年の「In The Mood For Something Rude」はR&Bのカバーアルバム。もともとブルース・バンド出身。これまでもR&Bフィーリング溢れる曲と演奏をみせていた Foghatなので、まあ出して当然、いったんルーツに戻ってということなのでしょうが、正直言って期待外れでした。 (ジャケットの美女の胸元が、裏ジャケでアップになっているのに、メンバーの頭が邪魔して肝心な部分が見えません...これも期待外れだな) もうこういう音が大手を振っていられる時代ではなくなりつつありました。ただLonesome Daveは、パンクなどに自分と近しい感覚を感じていたようで、自分達にとっても追い風になるだろうと思っていたようですが。

Foghat 9th

1979年の「Boogie Motel」 基本路線は前作を踏襲していますが、残念ながら前作ほどの緊張感はありません。毎回あれほどのタイトな音を出していたのでは疲れちゃいますからね。人間関係も緊張しそうだし。 とはいえ、これも決してレベル以下というわけではありません。 Paradise Alleyのような、デビッド・リンドレーも真っ青な美しいスライド・ギターをフィーチャーした曲もあれば、Somebody's Been Sleepin' In My Bedみたいなこれまで通りのブギロックもありで、これまたヒット。 でも時代は確実にパンク/NW時代な訳でして、たぶんFoghatが何も考えず自分達の音楽を演って、なおかつそれが売れたというのはこのアルバムが最後になってしまいます。

Foghat 8th

1978年の「Stone Blue」はエディー・クレイマー(ジミヘンなんかが有名)がプロデュース。 これぞロックのマスター・ピース。Fogahtの最高傑作にしてブルース・ロックの究極の到達点! 個人的にもめちゃくちゃ好きです。僕の葬式では、このA面(CDなら4曲目まで)をエンドレスのBGMにして、みんなで盛り上がって欲しいです。うるさいから止めろと言ってくる奴が絶対いると思いますがそういうのは放置で。 で、何がこんなにスゴイかというと、とにかく演奏とサウンドに緊張感があってタイト。良い演奏というのは手慣れたルーチン仕事からは生まれてこないということですね。 さらに、今回はブルーズ名曲を問答無用のハードロックにアレンジするやりかたも冴えています。ここでカバーされているのは、Robert Johnsonの「Sweet Home Chicago」と「Terraplane Blues」、Elmore Jamesの「It Hurt Me Too」など。 とにかくA面のEasy MoneyからMidnight Madnessにかけての4曲はいつ聴いてもテンション保証付き。特にMidnight Madnessはハードロックとしてもサイケデリックとしても聴けます。ほんとギターはトチ狂っといるとしか言えません。

Foghat 7th

さて、1976年にはベーシストのNick Jamesonがカリフォルニア人のCraig MacGregorに交代するという事件があります。 これはNick Jamesonがツアーに出たがらなかった為らしく、ライブバンドたるFoghatでライブが出来ないというのは死活問題ですから。ただしベーシストとしはバンドから離れましたが、プロデューサーとしてはその後も一緒に活動していきます。 さらに1977年に待望の「Live」を発表しています。 ライブバンドとしても評価が高いバンドの初のライブ・アルバムだった訳ですが、1枚組で7曲入り。 正直言うと2枚組にして欲しかったなと思いますが、噂のライブを聴けるだけでも当時的にはOKでしたね。中身はまさに「保証書付き」って感じですから。 売れれば勝ちという訳ではありませんが、このライブはダブル・プラチナ。まさにピークを極めた時期ですね。 今回の再発ではボーナス曲が追加されるということで期待したのですが、シングル曲を追加しただけ。 この時のアメリカツアーのライブ、いつの日か完全版が発売されることを期待しています。

Foghat 6th

1976年には6枚目となる「Night Shift」を発表。 ナイト・シフト=夜勤なんて、ホワイトカラーな職業には全然関係ないすからね、もうアルバムタイトルからして労働者階級(笑 ですが、このアルバムはおそらくフォガット初の問題作。 これはプロデュースがEdgar Winter GroupのDan Hartman。はっきり言ってこいつがいけない。音が売れ線に寄り過ぎです。 曲も演奏も決してパワーダウンした訳ではないのですが、滑らかすぎるアレンジやガッツが足りない録音が... もちろんアルバムが売れていたことには変わりありませんが。 Al Greenの「Take Me To The River」なんて曲も演っていますが、これはアイディア一発物で、残念ながら面白くもなんともありません。 思うに、ダン・ハートマンはエドガー・ウィンターところの番頭でして、雑食性ハードロックのエドガーとの組み合わせだと、そのアレンジャーとしての才能やポップソング・ライターとしての才能を発揮できて懐刀として機能したんでしょうけど、ハードロックでもどちらかというとシンプルで泥臭いブギに真骨頂を発揮するフォガットとは食い合わせが悪かったんでしょうね。

Foghat 5th

1975年の大ヒットアルバムで彼等の最初のプラチナ・アルバム「Fool For The City」。アルバムは当然大ヒット、シングルの「Slow Ride」も当然大ヒット。 このアルバムとSlow Rideがフォガットを語るときの代名詞にもなってるくらいの代表作。 アメリカではこの頃から西海岸にも人気が広がり、全米規模の人気バンドになり、ラジオでもばんばんかかっていた時期です。 また、個人的にも2番目に好きなアルバムです。相変わらずのけたたましいハード・ブギー・R&Rもたっぷりあるし、Nick Jamesonが書くバラード物も新鮮だったし、売れて当然だったと思いますね。 このアルバムでのカバー曲は「My Babe」。ライチャス・ブラザースのヒットですね。 そういえば、最初の頃のフォガットは中村とうようさんがシンコー系のどっかの雑誌で「フォグハット」と紹介してしまったため1st、2nd辺りはフォグハットと呼ばれていましたね。 なんで中村とうようがフォガットの紹介をしていたかというと、フォガットの前身バンドSavoy Brownというブルースバンドだったからではないでしょうか。あくまで憶測ですけど。

Foghat 4th

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1974年にはもう1枚、アルバムを出しています。 これがその「Rock And Roll Outlaws」。 たぶん、これは彼等の大きな転機になったアルバムでしょう。 まず、プロデューサーがNick Jamesonに変わりました。プロデューサー、エンジニアとして大きな実績がある人ではありませんが、音楽的な趣味嗜好がバンドと一致していたこと、年齢的にも近しいこともあり、その後バンドのメンバーになったりしながらFoghatのプロデュースを続けていくことになります。 そして音も変わりました。最初の2枚はひたすらソリッドでハードなブギーを演奏していたのが、この頃から「Dreamer」のようなポップな曲が出てきたり、ミドルテンポ、スローテンポのバラードなども演奏するようになりました。 たしかに当時はごりごりのハードロックなどより、ドゥービー・ブラザースとかクイーンなど乾いたハードロック、ちょっとポップなハードロックの方が売れるようになっていましたから、その辺を意識したのだと思います。 結局その方向性の微修正が尾を引き、80年代以降はパンク/NWの音に慣れたリスナーから典型的なオールドウェイブのようにみなされ、人気ちょう落に繋がったような気がします。あのままソリッド・ハード・ブギ・バンドを維持し続けていれば、全く別なリスペクトを得られたのになぁと、今になれば思います。   ← Rock And Roll Outlawsの裏ジャケ写真 パンタロン、ぎんぎらジャケット、長髪、意味のない腰の拳銃。 70年代前半的な、ロックスター的コンテキストでは「格好よい」。ワーキングクラス的センスでみれば「俺もああなりてぇ」 パンク/NW以降のセンスでみれば 「ださい」「頭悪そう」 でもそんなこんなも飲み込んで、売れる為の努力をしながら音楽としてのブギ、ハードロックの格好良さをも追求していたこの頃のフォガットが大好きなんですけどね。

Foghat 3rd

翌1973年、またまたFoghatというタイトルの2ndアルバムを出します。 便宜上、1972年物を1st、1973年物をR&Rと呼ぶことになっています。ジャケットの写真を見てもらえれば判るのですが、Rock and Roll、つまり小石とロールパンというジョークの効いたジャケットですね。 またこのアルバムは彼等の最初のゴールド・アルバムになりました。 このアルバムからの音はもう完全にフォガット節。ツィン・ギター、シンプルなリズム、決めまくりのサビ。 きっとアメリカのフリーウェイなんかを走りながらFMからフォガットが流れてくると思わず一緒に歌ってしまうだろうなぁと思いますね。 実際、日本でもそうしてたんだから。フォガットだけで90分のテープを作り、一人で海へ行くときは行き帰りもフォガットを大音量で一緒に歌い、帰ってくるとノドががらがら。波乗りに行ったのやら、カラオケに行ったのやら(笑 そして1974年に「Energized」(邦題は「電撃フォガット」!!)を発表。 もうこの時点でFoghatはロックの主流も主流、あのバッド・カンパニーを前座にするわ、コンサートはいつも満員だわで、人気は最高に盛り上がっていました。ただし米国内だけ。日本では寂しいものでしたが。 このEnergizedにはビッグ・ジョー・ターナーの「Honey Hush」(ただしアレンジはジョニー・バーネットバージョン)やバディ・ホリーの「That'll Be The Day」といったカバーも含まれています。特に前者は、ヤードバーズやエアロスミスでもお馴染みのあの曲、つまり「トレイン・ケプト・ア・ローリン」の元ネタでもあります。 まぁ音は当然フォガット節。 頭の良い奴は絶対聴いてないだろうなぁというワーキングクラス御用達、今ならDQN系なんすかね? でもこのノリに身体が反応しないようじゃロック聴いても面白くないでしょう。

Foghat 1st

Foghatの創始者はLonesome Dave Peverett。あたまに"Lonesome"が付くのは、シャイで静かなプライベートライフから付けられたあだなです(でもライブではメチャクチャ派手)。 1960 年代後半に一世を風靡していた、ブリティッシュ・ブルーズ・ロックシーンの中で、Fleetwood Mac(全然別のバンドになって今も?存続中)、Chicken Shackと並ぶ3大ブルースバンドと称されたSavoy Brown(Kim Simondsをリーダーに今も活動中)でリズム・ギターを担当していたLonesome Daveが、ベースのTony Stevens、ドラムのRoger Earlと一緒にバンドを抜け、リードギターにRod Priceを加えて1971年にFoghatを結成します。 そして、いきなり活動の拠点をアメリカに移し(好きなブルースマンが沢山いるから)、Beasvilleレーベルと契約し(新興かつ小規模、だけど敏腕経営者がいるので)、1972年のこの1stアルバムを発表します。録音はRockfieldスタジオでプロデューサーはデイブ・エドモンズ! ゲストにはトッド・ラングレン(たぶんBeasvilleからのお目付役)やアンディ・フェアウェザー・ロウ(AFL)などが。 元Savoy BrownがDave EdmundsプロデュースでBeasvilleレーベルからウェールズ録音のアルバムを出す。これじゃぁどんな内容か想像も付きませんが、実際はいたってシンプル。Savoy Brownからブルース味を多少薄め、薄くなったところにR&B風味を足し、切れ味も良くした音を出しています。 彼等のライブでの定番になる「I Just Want to Make Love to You」(Willie Dixonのカバー)で幕を開けるごきげんなハード・ブギ・アルバムです。

Foghat(1)

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Foghatのほぼ全アルバムが紙ジャケで再発されているので、自他共に認める日本一のフォガットファンとしては黙っちゃいられない(笑 これまであちこち書きなぐって来たFoghat情報をひとまとめにします。 さて、 1970年代のBeasvilleレーベルの財政面を一人で背負っていたのは、Beasvilleレーベルからはちょっと連想しづらい、英国ブルーズ界出身のFoghatでした。 英国よりも米国の、それもどちらかというと東海岸から南部にかけて人気があったようですが、日本ではほとんど売れなかったと思いますが、「子供バンド」みたいにかなり影響を受けたバンドもありました(実際、うじきくんはFoghat大好きだというし)  ブルースベースのハード・ブギーが彼等の身上で、その一芸で70年代に5枚のゴールドアルバムと2枚のプラチナアルバムを残しています(要するにほとんど全部)。  ただ当時のオールドウェイブ・バンドの例にもれず、パンク/NW以降は時代の流れに付いていけず徐々に失速。1985年にいったん活動を停止してしまいます。  なんて冷静かつ客観的に書いてはいられません。だってめちゃくちゃ大好きなんだもの、フォガット。初めて音を聴いたのはFool For The Cityの頃。それから30年、こりゃだめだと思う時期もあったけど、フォガットの新作が出れば迷わず買い、一時ツアーに明け暮れた時期もじっと新作が出るのを待ち続け、20世紀最後の復活にはとても感激していたのに。バンドの創設者で、シンガー、ギタリスト、ソングライターだったロンサム・ディブは 2000年の2月にガンで亡くなり、バンドとしてはそこで一区切り。 歴代のメンバーを年代順に列挙しておきます。 1971-1975  Lonesome Dave, Rod Price, Tony Stevens, Roger Earl 1975  Lonesome Dave, Rod Price, Nick Jameson, Roger Earl 1975-1980  Lonesome Dave, Rod Price, Craig MacGragor, Roger Earl 1980-1983  Lonesome Dave, Eric Cartwright,

和久井光司

元スクリーンの和久井さんがソニーに移籍し、オリジナル盤とカバー集を同時発売! 今は評論/執筆活動がメインのように思われているけど、やはり圧倒的な音楽知識体験を元にした演奏活動も捨て難いです。

Dusty In Memphis

Dusty Springfieldが1969年にAtlanticに移籍し、メンフィスでレコーディングした盤。この「デラックス版」は、オリジナル盤に未発表曲など14曲が追加されています。  Dusty は1939年英国生まれ。世代的にはジョン・レノんなんかと同じですが、幼い頃からショービズ界にデビューした、一般的には「芸能界」の歌手とされている人です。ロック業界では10年ほど前にペット・ショップ・ボーイズに引っ張りだされてカムバックしたことが知られているかもしれません。当時は、オカマ系にも人気があるPSBがオカマ好みの年増歌手を引っ張り出した程度の認識でいたのですが、そうじゃないちゃんとしたリスペクトの上での共演だったことが、この盤を聴いて判りました。  オリジナル盤はメンフィスのアメリカン・スタジオでジェリー・ウェクスラー、トム・ダウド、アリフ・マーディンをプロデューサーに、レジー・ヤングなどメンフィスのミュージシャンがバックを努めています。ですので、音はもう当時のアトランティックのソウル/R&Bそのまんま。アリサ・フランクリンが歌っていてもおかしくないような音が出ています。  今回のデラックス版は、そこにNY録音の11曲と、ギャンル=ハフによるシグマ・サウンド録音(!)2曲が追加されいます。  この盤が出るまでDusty Springfieldなんて聴いたこともなかったのですが、これは凄いです。唄上手いし、迫力もあるし。当時の白人女性シンガーがソウルした中で、これは白眉ではないでしょうか。年増の若作り風カマトトな歌い方からゴスペルフィーリング丸出しまで、何でもこなしています。う〜んまいった、ホントに。  これ聴くと、本物の歌手ってのは、バックの音とか曲とか、そんなもの関係無しに人を感動させることができるのだと実感できます。エディット・ピアフは「電話帳を歌っても人は感動するだろう」と評されたそうですが、それもさもありなんと思います。  1969年、日本では美空ひばりがミニ・スカートに身を包んでGS歌謡曲を歌っていた頃かな(今や想像もできないけど)。美空ひばりや雪村いづみのメンフィス録音なんてのも聴いてみたかったなぁ。当時の日本にそれだけの戦略的プランを持ってかつグローバルに音楽的動向を把握できているプロデューサーがいれば、実現できていたかもしれないのにな、残

Red Dirt Girl

エミルー・ハリスの2000年のスタジオ作「Red Dirt Girl」。70年代中ごろはポップ/カントリーのフィールドでグラミー獲ったり、L.A.ロック人脈との交友でロック界でも有名だったりしたのですが、不毛の80年代を過ごしてしまいましたね。  僕も70年代のエミルーは、単なるカントリー・ロックの女性シンガーくらいの感覚でいたのですが、ここ数年の尋常でない音作りはそうした評価を一気に覆しています。  今になって振り返ってみれば、グラム・パーソンズ( ロックバンドのスタイルでカントリーをやったカントリーロックの先駆者。元バーズのメンバーでもあり、フライング・ブリトー・ブラザースの創始者。ストーンズ(特にキース)との交友でも有名。ストーンズの「Wild Horses」はグラムのことを歌った曲。1973年にカリフォルニアの砂漠町Joshua TreeにてODで死去。エミルー・ハリスはグラムのバックバンドメンバーでもあった。 )の最後のパートナーは彼女だったわけで、70年代当時の彼女にしてみれば、どれだけ意識的だったかはともかく、グラム的な音を継承したいけれど状況的に思うようにできないといった感じだったのでしょうか。  で90年代以降は彼女自身、自分こそがグラムの正当な後継者でカントリーひいてはロックの領域での表現拡大を目指そうと意識しているのでしょう。( 余談だけど1980年代には数本の映画に出ているはず。僕が把握しているだけでは「The Last Waltz」例のThe Bandの解散コンサートのフィルム(あ、これは1970年代だ)。「Honeysuckle Rose」ウィリーネルソン主演。邦題は「忍冬の花のように」。 )  音の方は昔のエミルーしか知らない人が聴いたらびっくりすでしょうね。もはやカントリーではない!でも、音はカントリーじゃないけど、心はカントリー。基本的にはロックバンド編成で、特に目立つのがドローン・ギターと全体的なエコー処理。以前ダニエル・ラノワがプロデュースしていたけど、あれじゃアイルランドのバンドみたいになってしまうので、前作(?)からマルコム・バーンがプロデュースと全体の音づくりを担当しています。  いちおう参加ミュージシャンを列挙(登場順)すると、ダリル・ジョンソン、バディ・ミラー、ブルース・スプリングスティーン夫妻、ケイト・マクガリグル(

Stevie Nicks

Stevie Nicksのベスト盤というと数年前にキャリアの集大成ともいえるBoxセットが出てますが、今度はちょっとボリューム的にはライトだけど、中身は濃いベストアルバムが出ましたね。  これはこれで興味深いベストなんだけど、やはり話題はこの間、1枚しか出てないオリジナルアルバムの方。  90年代の諸作って正直どれも今一つの出来だったし、顔つきなども覇気がなくなったような感じで、ほぼ終わった人と思っていました。でもいちおうファンとしては未発表テイクがあるからとボックスセットを買い、久しぶりだからとTrouble in Shangri-Laもおつき合いで購入し聴いてみたんですが、はっきり言ってTrouble in Shangri-Laって今までで一番良い部類ですよ。誰も何とも言ってくれないけど最高傑作なんじゃない?  事前の情報ではシェリル・クロウがプロデュースということだったけど、彼女がプロデュースしたのは全13曲中5曲のみ。残りはスティービーとジョン・シャンクスなどのプロのプロデューサ達。  シェリル・クロウのプロデュースした曲は、いかにも彼女らしい土臭いグルーブのサウンドで、意外にもこれがスティービーの歳を取って凄みが加わった声に合うんですねぇ。  もちろんこれまでのスティービーのアルバムみたいなきんきらきんの豪華絢爛サウンドも健在。とにかく今作は曲が良いです。80年代の彼女のアルバムに必ず1曲はあったキメのハードロックはないけれど、曲とサウンドのアベレージがとにかくめちゃくちゃ高いのが今作。そこが「一番良い」と思う所以です。  あ、面子の方はですね、シェリルがプロデュースした曲はハートブレイカーズ組をメインにフィーチャー。それ以外は打ち込みをメインにワディ・ワクテルなどセッションミュージシャンをスパイスに使ってます。  さらにこのアルバム、アメリカでもかなり評判が良くてチャート的には初登場いきなり5位。彼女のアルバムとしては過去最高位です。  ほとんど復活と言ってもよいくらい充実した内容とそれに見合うチャートアクション。とても90年代を寝て過ごした人とは思えません。シェリル・クロウがプロデュースでサラ・マクラクランやディキシー・チックスなどが参加していて、これはズバリ例のリリス・フェアの仕掛人たちによるスティービー・ニックス復活プロジェクトが組まれたのではない

I'm Not There

忘れないよう、備忘録的に。 Velvet Goldmineが忘れられないトッド・ヘインズの最新作はボブ・ディランをテーマにした「 I'm Not There 」。 アメリカでは来週11/21から公開開始。でも日本公開は・・・未定。 でもサウンドトラックは日本盤が発売になってます。 サブタレニアンホームシックブルースの有名なプロモーションフィルムに合わせて メッセージを送れるサイト も既に話題になっていて、もちろん日本からも送信できます。 まぁとにかく何時になるかわからぬ日本公開までひたすら待ち続けることにします。 でもトッド・ヘインズだし、有名俳優も多数出演だし、意外とあっけなく公開されるとは思いますが。 予告編は初期版の方が格好良いと思うのでそれを紹介します。

Chrome Dreams II / Neil Young

Neil Youngが30年前に制作にとりかかるも結局リリースにいたらなかった「Chrome Dream」 そのアルバム用に書き溜めた曲に新曲を追加し「Chrome Dreams II」をして発表したのがこのアルバム。 30年前だからAmerican Stars 'n BarsとComes A Timeとの間かな? まぁ放っておけばいくらでも名曲を書いてしまう時期のニール・ヤングだから、曲に関しては心配なし。そして、還暦過ぎてさらにワイルドになっている演奏力を鑑みると聴く前から傑作だろうと判ってしまいますね(笑 とりあえずこれは買うということで。 ところで、このアルバムは全10曲。 それに対抗してUNCUTでは「ニール・ヤングには未発表の名曲がまだまだあるぞ!そのベスト10」というのをやっていました。 論評抜きで以下のとおり。 Bad Fog Of Loneliness (1971) Love Art Blues (1974) Bad News (1974) Hitchhiker (1975) No One Seems To Know (1976) Lady Wingshot (1976) Sad Movies (1976) Berlin (1982) Grey Riders (1985) Sixty To Zero (1988) さて、何曲ご存知?

Led Zeppelin III

ジミー・ペイジの名誉のために、Led Zeppelinの3rdアルバムをご紹介。 意外と忘れられがちなこの3rdですが、個人的には大好きだった暴走王キングコング・ブルーザー・ブロディのテーマソングでもある「移民の歌」と、「タンジェリン」が収録されていることもあり、かなり好きなアルバムです。 移民の歌についてはそのうち別の記事で書こうかなと思うので、まずはタンジェリン。 ゼップの曲で、ジミー・ペイジ単独のクレジットになっているのはこのタンジェリンとフィジカル・グラフィティ収録の「ブロン・イ・アー」だけ。後者はギターソロなので、歌入りの歌曲としては実質この1曲だけなんですね。 その後のフォー・シンボルズへの習作とも捉えかねられないけど、いやこの時点で既に音的にも詩的にも目指す世界は完成していたんだと考えるべきでしょう。 YouTubeにあったTangerineをご紹介。 しかし、Tangerineですぜ。タンジェリン・ドリームというプログレバンドもあるし、お空のルーシーの周りにはタンジェリンの木もあるらしいし。 やはりそっち系のキーワードでもあるんですよね。 さらに! タンジール(英語読み)〜タンジェ(アラビア語読み)つまりアラビアからのオレンジがタンジェリン。 ここで昨日のジェイソン・ボーンと繋がりましたなぁ。 まぁなんでルーシーの周りにタンジェリンの木があるかというと、ぶっ飛んでいる時にはタンジェリンの色が目立つからという話も聞いたことがありまして、おそらくその辺からアシッド系のキーワードとしてタンジェリンという単語が使われているんでしょうね。

Led Zeppelin, now

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最新のMOJOの表紙なんですが、まぁ見てください。 LED ZEPPELINという名前と共にオヤジが3人。ジョン・ボーナムは既にいないので、この3人はロバート・プラントとジョン・ポール・ジョーンズとジミー・ペイジのはず。 左側の長髪でワイルドな人物は還暦間近のロバート・プラントでしょう、右側の一癖ありそうな飲み屋のマスター風人物はジョンジーでしょうね。ということは真ん中の若い頃の長門裕之が機嫌を損ねているような風情の人物がジミー・ペイジ・・・ いや、そんなことは当然わかっちゃいるんですが、パーシーとのあまりの違いに思わず皮肉っぽく書いてしまいましあた。 表紙ではこんな顔してますが、記事では温和なおじいさん風ショットがフィーチャーされていて一安心ではありますが。

最後の暗殺者

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結局、ジェイソン・ボーン三部作の最後、「最後の暗殺者」もとい「ボーン・アルテイメイタム」観てきました。 1,2,3とストーリーはともかく、映像とか金の掛け方がどんどん派手になりましたが、基本的な映画のテイストは同じ。 ホントにスタート呼べるのはマット・ディモン君だけ。他は知名度は低いけど確かな演技派で固めているので、アクションだけを見せるわけでもなし、ストーリーで引っ張るだけでもなし、これみよがしな映像もないし、それぞれ各方面でポイントが高い、ホントに良質な映画。 きっと何度見ても飽きないだろうな。 ということもあり、ヒルズのバージンのでっかいスクリーン(7番)の結構前方の席で観ました。別に混んでいて前方しか空いていなかったのではなく、でっかいスクリーンで観たいなと思ったので。 しかし、アクションシーンは動きが激しくて目で画面を追うのが大変、疲れましたね。 でもうれしかったのはモロッコのタンジールの街が大々的にフィーチャーされていたこと。 やはり一度は行ってみたい都市ナンバーワンはタンジールでしょう。ビートニク以降のカウンターカルチャーに興味ある人なら、無関心ではいられない街ですからね。 エスピオナージ+アクション、そして冒険小説。一粒で何度も美味しい映画。一気見とかやらないかなぁ。

隠し砦の三悪人’

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実家が信州上田でして、たまたま今週も帰省してます。帰省といっても新幹線で1時間だし普通に通える距離/時間なので「帰省」というほど大げさな言葉はどうかと思うんですが。 帰ってから気がついたのだけど、今週末は「 うえだ城下町映画祭 」というのをやっていまして、プログラムをチェックしてみれば「 けんかえれじい 」に「 八月の濡れた砂 」。うぅー、スクリーンで観たかった。 けんかえれじぃのあの有名なぼっちゃんシーンもたしかこの近所で撮影されたはずだし(笑 とにかくこの映画祭、数年前には「 太陽を盗んだ男 」まで上映したし、けっこう気合い入ってます。 で、結局上映時間が過ぎてからその存在に気付くという間抜けな土曜日だったのですが、なんとあの黒澤明の傑作にしてルーカスがスター・ウォーズでパクった「 隠し砦の三悪人 」のリメークが進んでいるという情報をゲット。撮影しているんで間違いありません。 公開は来年のGWを予定。 そういえば「 椿三十郎 」のリメイクも予告編を何度か見かけたけど、どうなんでしょうかねぇ。脇役層の衰退振りからすると、映画としてどうか非常に心配。 隠し砦の方も恥ずかしくないリメイクになるよう祈るばかりです。まぁどうせ観ないだろうけど(笑

暗殺者

20年くらい昔、まず欧米で人気が出て、その後しばらくして日本でもそれなり人気の出た小説家ロバート・ラドラム。 エスピオナージという分野そのものが目新しかった当時、そのハードボイルドを通り越したドライな中身にハマった読者も多いと思います。 ただふと冷静に考えると「こりゃヤリ過ぎだよ」と思わないこともないのが難点か。 その辺りは この駄文 も参照ください。 短かったピークを過ぎた後は、なんじゃこれ的な駄作を連発しすっかり過去の人になってしまいましたが、その中でも自他ともに認める最高傑作がジェイソン・ボーンを主役にした「暗殺者」とその後の3部作。まぁ「暗殺者」一作だけでも十分ですが。 他にもサム・ペキンパーが監督した「オスターマンの週末」(あ、映画のタイトルはバイオレント・サタデー)なんてのもあったり、とにかく濃い小説をいっぱい書いているのですが、残念ながら風化せずに残ったのは暗殺者だけみたいです。 しかし、まさかこの「暗殺者」シリーズがマット・ディモン君のハマり役として、こんなに大ヒットするとは思いませんでしたね。逆にジェイソン・ボーンは知っているけど、ラドラムの暗殺者知らないという人の方が多いんじゃないでしょうか。

Fire and Rain - 旅立ちの時

Running On Emptyといってもジャクソン・ブラウンじゃなくて、シドニー・ルメット監督リバー・フェニックス主演の映画「旅立ちの時」の方。 この映画の中の重要な場面とラストでも使われているのがジェイムス・テイラーの「ファイヤー・アンド・レイン」。映画館では観る事ができなかったけどその後深夜TVでも放映され、DVDをレンタルし、その度に胸が締め付けられるほどの切なさにいたたまれなくなる映画と曲です。 映画の方は60年代末から70年代初頭の激動の時代に活動家としてFBIから追われる身になった夫婦とその子供達の物語。 この曲Fire and Rainはその夫婦のもとにかつての活動家仲間が集まるパーティシーンで流れます。まさに火も雨も経験した人々が別れざるを得なかった人々を思い踊るシーンが忘れ難いです。 そしてラスト、親と子がそれぞれの幸せを願いつつ別れるシーン。ここで再び同じ曲が、いつか再会できるであろうという希望を願う歌として使われています。 Fire and Rain、その曲単独でも素晴らしい曲なんですが、ボクにとってはこの映画で使われたことでさらに印象深く忘れられない名曲となりました。ちょうど最初の結婚をした頃でもあるし(笑 最近なんどか思わぬところでこの曲を耳にする機会があり、思わずセンチになってしまいました。 リバー・フェニックスは早すぎる死を迎え、ジェイムス・テイラーはすっかり髪が抜け、この映画を一緒に観た女性とは既に別れ、ボクもまた新らたな転機を迎えつつあり・・・いつになくジェイムス・テイラーの声が心に染み、映画の親子のその後に思いを馳せています。 Amazon.co.jp ウィジェット

ブレイブ・ワン

金曜日夜にジョディー・フォスター主演の「ブレイブ・ワン」を鑑賞。 ジョディに関してはもう絶対観る。 映画のテーマは・・・うーむ2007年のタクシー・ドライバー。 1977年のトラビスと2007年のエリカは動機も結末も異なるけれど、社会に対する恐怖と不安そして都市の狂気を描いたところは全く同じ。 奇しくもタクシー・ドライバーで重要な役を演じたジョディーが30年後(!)にこのような映画に出ることには因縁を感じるますね。 ただ監督がマーチン・スコシージとニール・ジョーダンですからね。レッドソックス対楽天イーグルスみたいなもので勝負になってません。 まっニール・ジョーダンも職人なのでそれなりの絵にはなっているけど、細部の詰めが甘い甘い。 特にラストなんかどっ白けもいいところですって。刑事コロンボでなくてもあの程度の細工は見破ってしまいますって。 エリカが最初に銃を使う場面、場末のドラッグストアで図らずも・・・というのは完全にタクシードライバーへのオマージュ。ただその後の展開は犯罪映画として落第だなぁ。 ジョディーフォスターあるいはジョディの演技を堪能したいのであればお勧め、タクシードライバーとの対比を考えながらアメリカと、現代社会を考えたい人にもお勧め、純粋に映画として楽しみたければもっと良い映画はいっぱいあるよ・・・という映画でした。

Nite Cityの2ndアルバム

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ドアーズのレイ・マンザレクのバンド「Nite City」の2ndアルバム「Golden Days Diamond Nights」。 あの傑作デビューアルバム「Nite City」の翌年1978年に西ドイツのみでこっそりリリースされていたらしい。 恥ずかしながらその存在を知りませんでした。Nite Cityはデビューアルバムのみで消滅していたと思っていたのだけど、そうじゃなかったんですね。 Nite Cityは70年代型ドアーズというかハードロックドアーズというか、サウンドは70年代後半、メンタリティは60年代という好きな人にとっては堪らないバンドだったんですよね。未だにその影響から逃れられない人も多数。 ただ1stがあまりに凄過ぎたのか、こっちの2ndはどうもあまり評判良くないみたいです。 でもレイ・マンザレクがボーカル取ってる曲もあるし、聴いてみたいのもたしか。 1stと合わせて早くCD化されることを切に望みます・・・と書き続けること数年、なかなか先が見えませんねぇ。 マンザレクのソロがCD化された時はNite Cityもすぐかと期待してたんですが。

Unfairground / Kevin Ayers

巷で大きな話題になっているらしい(?)Kevin Ayersの16年振りのスタジオ作。 その間、発掘ライブとか現役ライブとか来日ライブとか常に何やら話題があったので16年振りです、Still Life with Guitar以来ですとか言われると思わず狼狽えてしまいます。 つまりボクの30歳以降はケビン不在の十数年だったのか!? さて、内容の方は・・マスターピース。 これを出したら引退 という話もありましたが、どうも本当らしく、でも最後にこのような大傑作を残して引退なんて、ケビンらしからぬ格好良さですね。 Island時代のR&B色が強い音作りでも、最近のペラペラした音でもなく、Harvest時代に遡るかのようなファンタスティックな音でして、バックにもフィルマンやらヒュー・ホッパーやらといった縁ある人たちも駆けつけ、まさに人生の最後を飾る大団円アルバムに相応しいです。ホント傑作。 歌詞もまだ聴き込んでいないけど、一聴した限りではケビンらしいテーマの曲もあり時間をかけて味わいたいと思います。

BickershawのBeefheart

少し前に注文 したビーフハート&マジック・バンドの1972年はBickershaw Festivalでのライブ。 バンドのラインナップは隊長の他に ロケット・モートン、 ロイ・エストラーダ、 ズート・ホーン・ロロ、 エリオット・イングバー、 アート・トリップ お馴染みの連中ですね(笑 何故か今月(本国では先月か)号のUNCUTでもビーフハートの特集がありまして、そっちでも同じ面子のぶっ飛んだお姿を見ることができます。 後にジョー・ストラマーと名乗るジョン・メラーも生涯最高のライブ体験と言っているように、雰囲気と演奏はなかなかですね。 しかし、音質は・・・極悪。 ビーフハートのライブものは怪しいのも含めてボクも相当聴いてきていますけど、その中でも最低クラスの音質ですね。せっかく買った高品質スピーカ(笑)もかたなし。 まぁ歴史的価値も含めてのライブということで、一般人にはお勧めできないCDになってしまいました。 が、ビーフハートが聴きたい、特にこの面子で! というコアな方にはマストな音源だと思います。

Queen Best 10

愛読誌(笑)の「レコード・コレクター」、今月はQueenでして、和久井さんがQueenのベスト25という企画をやっていたので、対抗してベスト10。 そりゃクィーンはなんだかんだいっても最初から聴いているからね、好きな曲を選べんでいいのならいくらでも出てきますって。 Seven Seas Of Rhye Brighton Rock Keep Yourself Alive Stone Cold Crazy 輝ける七つの海 ブライトンロック 炎のロックンロール ストーン・コールド・クレイジー うーむ、8曲しかない(笑  なぜなんだろう? やはりクィーンとボクとは性格的に合わないんでしょうね。 こちらはハードロックにもそれなりの表現の必然性とか求めちゃう方だし、向こうは最初はカウンターカルチャーだったのに途中から娯楽に転向という、ある意味ロックの歴史そのものでもあるし。ゴメンとしかいいようのない出会いでしたね。

The Residents

新しいiPod classicは160GBも容量があるので、もうとにかくなんでもかんでも詰め込んでます。 (あぁ、これはもう聴かないなと思った曲はレーティングを1にしておけば次回の同期以降はiPodからいなくなる設定にしているので、持っているデータが全部入っている訳ではない) そうなるとこういう出会いというか事故が発生する訳ですね。 帰宅途中の三田線、わずか2駅、時間にして3分しか乗っていないその隙間にかかったのが、レジデンツの1976年の名作「第三帝国」からの名曲「Swastikas on Parade」。名作だ名曲だってホントか?って気がしますが(笑 古今東西のロックンロールの名曲を切った貼ったで再構築(サンプリングじゃないよ)したこんな曲を、酔っぱらいのサラリーマンや疲れたおばちゃん達に交じって聴くなんて、あまりにシュールな図ですね。 でもこの名曲を通して聴いたのは久し振りです。 でもだいたい、iPodにこんなのが入っていましたいう以前に、こんなの持ってますという方がおかしいよなぁ。

Madonna

とても象徴的なニュースが二つ。 マドンナがワーナーを離れるという話と  米コンサート運営大手ライブ・ネーションは16日、女性人気歌手マドンナ(49)が同社に移籍したと発表した。大物歌手は収益源の軸足をCDからコンサートへ移行しつつあり、マドンナは「音楽業界の構造変化に対応した」と移籍理由を説明した。 もうひとつはiTMS Plusの値下げの話 米アップルは16日、音楽・動画配信サービス「iTunes(アイチューンズ)」でのコピー防止機能なしの楽曲ダウンロードについて、価格を従来の1曲1ドル29セント(約150円)から99セントに引き下げると発表した。 マドンナはですね、アーティスティックな自由を確保するためにワーナー移籍にあたって副社長のポストを要求したくらいの人ですから、「音楽業界の構造変化に対応」という移籍理由もさもありなん。まぁ高額の移籍料が絡んでいることを忘れてはいけないですが。 iTMSの方は、Amazonや競合他社に対抗するというのが最大の理由だと思われますが、それにしてもDRM(FairPlay)付きとDRMなし(かつ高品質)が同じ価格というのはチャンレジブルです。 考えてみれば、CDというパッケージ製品の歴史もせいぜい20年。ビジネスモデルがほぼ同じレコードという製品メディアにしても実質的には100年もないわけですからね。別にそれがオンライン化したとしても天地がひっくり変えるほどの驚きじゃないですからね。20年も経てばビジネスモデルがガラっと変わっても不思議じゃないんですから。 1960年代生まれのボクなんかにすれば、ジャケットや物理的メディアの魅力、コンテンツ(音楽)の再生手段(オーディオ)まで含めたある種のカルチャーに対する愛着というのはやはり強いですし、携帯でダウンロードするなんて「音楽をスーパーマーケットで買ってくるなよ((c)中村とうよう)」と同じような感覚を持っちゃうんですね。 ボクもiTMSでコンテンツは買うけど、録音年も録音スタジオも参加ミュージシャンもよくわからないコンテンツには金かけれあないよなぁと思うんですが。普通の人はそんなこと気にならないのかなぁ。

パンズ・ラビリンス

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今年秋の最大の期待作「 パンズ・ラビリンス 」。公開2日目のチケットが案外簡単に取れてしまったので観てきました。 とはいえ、たまたま早い時間に通りかかったので整理券番号をチェックしたら案外小さい番号だっただけで、観客側の期待も大きいのか連休中の上映は全回満席。恵比寿ガーデンシネマのさほど広くないロビ−は大混雑でした。 そもそも日本公開も危ぶまれていただけにこの盛り上がりは嬉しいです。やはりファンタジーブームにアカデミー賞受賞という追い風が効いてるんですかね。 さて、映画の中身は・・大人の鑑賞にも耐えるファンタジー。どうもいわゆるファンタジー映画って、作り手側の「子供向けにはこんなもんでいいだろう」感がぷんぷんしていて嫌なんだよなぁ。ボウイが出ていたやつとか、リマールが主題歌歌っていたやつか、あれとかこれとか(笑 やはりもう21世紀なんだし、近代ファンタジーとしては残酷で不条理でやるせないこの世界の現実を寓意で包んで提示するのが本筋ではないのか。メルヘンじゃないんだから。 という意味でこの映画は正統派の近代ファンタジー。児童向けファンタジーと一線を画しているのが、時代設定とその結果としてのあまりに過酷な現実。 最近ではテリー・ギリアムの「ローズ・イン・タイドランド」。あれもシビアで絶望的な現実と折り合いを付ける少女の話だったが、テイスト的にはそれと近いかも。 こちらの主人公オフェリアの運命はアリスよりさらに哀しい。まさにシビアで絶望的な現実から抜け出し、本来自分が居るべきだった世界へ旅立つ話だから。 とにかくリアルな現実の描写とファンタジーの世界の描写が凄い。たまたま前日にゾンビ映画(プラネット・テラー)を観たので多少グロな映像には慣れていたけど、そうでないと辛いシーンもいくつか。しかし、だからといってそこから目をそらしてはいけない。そのグロなところもこの世界の現実なんだから・・・というメッセージでもあるんですよね。 現実世界は1944年のスペイン。人民戦線は既に崩壊し、その残党達が細々とゲリラ活動を続けていて、それを弾圧するファシスト政権という時代背景はきちんと理解してから観た方が判り易いと思います。人民戦線の崩壊から数年経過していて、ゲリラ側も「絶望的な負け戦」というのは判っている、でもファレイロ医師のように負け戦であっても人間としてやるべきことを放棄すべきじゃな

プラネット・テラー

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グラインド・ハウスのプラネット・テラーの方が、まだ公開中だったので観てきました。 二本立ての USA版は既に観ちゃってる んですが、日本も含む各国版は二本立てにする過程でカットせざるを得なかったシーンなども復活させた「ディレクターズ・カット完全版」だそうで、そう言われるとどこが違うのか観に行かなきゃならんでしょ(笑 しかし、それほど大きく違う訳でもなく、シーンの幾つかが追加されたり、ロングバージョンだったりで、映画そのものに決定的な影響を与える重要なカットの追加/削除などはありませんでした。 紛失した(笑)リールも相変わらず紛失したまま(爆)だし。あ、最後の最後の追加シーンだけはストーリーも変わってしまう事件かもしれません。まぁ解釈にもよりますが。 あとやはりこれを観たならデス・プルーフの方も観なくちゃね。 映画としてのバカバカしさはこっち、出来もこっち、でもカタルシス的にはタランティーノなんで。やはりなるべく時間を空けずに両方観るの正解だと思います。

50 Best Gigs

先月号のUncutの特集記事は「俺はその場に居たぞ!ライブベスト50」 要するにいろんな人に実際に観た体験したベストなライブを教えてもらって、それを基にベスト50を決める・・というか単に質問した相手が50人だっただけのような気もする(笑)、そんな企画です。 ベスト10は モンタレーのジミヘン ハマースミスオデオンのビートルズ セックスピストルのマンチェスター初ライブ ライシアムのボブ・マーリー ウェムブリーのデビッド・ボウイ キャムデンラウンドハウスのピンク・フロイド シェフィールドのアークティック・モンキーズ ニューポートカントリークラブのロクシー・ミュージック The 100クラブのホワイト・ストライプス NYパラディアムのクラッシュ まぁ、演奏の質とか歴史的意義とかじゃなくて、あくまで「個人的に観たことがある」というのが選出基準なので、訳判んないのもあります(笑 個人的にはPhishの日比谷野外(虹のライブね)かBlitzのパティ・スミスかなぁ。 しかし、各記事には"YouTube Keywords"とあって、適切なキーワードを入れると、YouTubeでそのライブそのものの映像が見られるという仕掛けになってます。 そうかぁ、これは流行るかもしれないですね。僕も真似しようっと。 YouTube Keywords: thin lizzy boys are back in town music rock roll えっと、↑このキーワードを入れるとシン・リジーのグラスゴーはアポロ劇場での1976年のライブが出てきます。 ちなみにこのライブを体験しているのはPrimal Screamのボビー・ギレスピー君。そう言われてみると。シン・リジーも納得だ。 ついでに言えば、出て来たYouTubeの画像をあれしてこうしてこうするとiPod readyな画像データが出来上がり。iPodに転送すれば出先でも楽しめます。もちろん個人的にですが。

Control the movie

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来月の公開を前に、Joy Division/New Order周辺の話題が騒然という感じ。 トニー・ウィルソンの逝去という思わぬ出来事はあったけど、カンヌでの高評価、映画の公開、それに合わせてJoy Divisionの3作のリマスター/ボーナスライブ付き再発。 まず映画だけど監督がアントン・コービン。あの時代、写真家として、映像作家として活躍した人なので、変な勘違いなどもないしね。後年にはAtmosphereのPVも監督しているからJD/NOとはそれなり付き合いもあるんでしょうね。初監督作品になりますが、まぁ長編は初めてということで。別に素人じゃないのであまり心配してません。 イアン・カーティス役はサム・ライリーという英国人俳優。24 Hour Party Peolpeではマーク・E・スミス役で出演してたそうです。えっ、あの時のマーク・Eは本人じゃなかったの?(笑 デボラ(奥さん)役にはサマンサ・モートン。 うーん、日本公開が待ち遠しい。 CDはJDのUnknown Pleasures/Closer/Stillの公式3アルバムがリマスター、ボーナルライブCD付きで再発。 本国ではLove Will Tear Us Apartのシングルも再発になっているみたいですが、日本ではどうなんだろう。 というか、CDも日本版は出るんだろうなぁ。オリジナル発売時と同じ紙質のジャケット、おまけも付けて欲しい。 いや、JDってそういうコレクター的世界から縁遠いところに居るべきバンドなんで、実はどうでもいいってば良いんですけど。 あと、サントラも発売になります。例によって日本発売は未定ですが。 New Orderも新曲(インストですが)を提供しています。

永遠の詩(狂熱のライブ)最強盤

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少し前にもゼップの話題を書いたけど、そのイベントに合わせてか、「永遠の詩」のCDとDVD、それとやっつけ仕事っぽいベストアルバムが発売になるみたい。 一応目玉は 永遠の詩 リマスター、「ほぼ」全曲だそうです。 でもこの時期のゼップだったらMSGでのライブ全てを突っ込んだBoxセットになったとしても買うぞ! 2,3年前にも一連のリマスターシリーズの中でこの「永遠の詩」も再発されてますが、今回は完全版というか最強盤です。 とはいうもののコンプリート版ではないという訳で、なんかこうじらされまくったあげく寝ちゃった年増女みたいな気分です。 昔から、映画の方は映像があるから良いけれど、音だけだと辛いと評されてきた永遠の詩だけど、そんなこと絶対ないって。 数多くゼップのブートは聴いて来たけどこのパワー溢れテンション高い音楽は長尺ものでもその真価を発揮しますから。 あれだな、ゼップがどうのこうの言う奴は、まずこのDazed Confusedを聴かせ、一緒に30分間このテンションが続くかで本当のゼップファンかどうか見極めるとしよう。

Dread Zeppelin/Led Zeppein/iTunes

えー、ゼップがアーメット・アーティガンの追悼公演で復活ライブだそうで。  英国の伝説的ロックバンド、レッド・ツェッペリンが再結成され、11月26日にロンドンのO2アリーナで1回限りのコンサートを行うことが12日、明らかになった。  レッド・ツェッペリンは1968年結成。「天国への階段」などのヒット曲で知られ、世界各国で3億枚以上のアルバムを売り上げたともいわれる。空前の人気を博したが、80年にメンバー4人のうち1人が死去、解散した。 ということなんすが、あのー、天下の朝日新聞で報じるほどのニュースなんでしょうか。TVなんかでもニュースとして扱われているようですが、まったく同じメンツでのライブも既にある訳ですし、ロック者 としては違和感ありまくりです。あ、20年振りというところがニュースなのかな? なんか後追いで「ゼップが一番!」なんてお勉強したような人にとってはニュースなのかも。 それはさておき、iTunesにLed Zeppelin のIIを読み込んである方、カバーアートはどうなっていますか? 僕のiTunesはIIのカバーアートにはなぜかDread Zeppelinの1stのジャケットが表示されています(泣笑 単にiTunesが間違ったのか、あるいはDread Zepによるセキュリティアタック、つまりジャケットジャックなのか!? 後者だったら面白いよなぁ。 いちおう解説しておきますと、Dread Zeppelinはアメリカ西海岸のZeppelinコピーバンドです。 でもボーカルは自称プレスリーの息子。似ているのはデブってるところだけ(笑 Zeppそっくりと自称してますが、そもそもバンドの人数も違います。音の方は気の抜けたレゲエアレンジで演奏してます。ボーカルはハイトーンの正反対のぶっとい低音(笑 日本でもよく見掛ける完コピバンドを想定すると思い切り間違えます。が、僕的には好きでした。今アマゾンで検索してみたらCD化もされてました。思わず買いそうになったけど、こいつらの場合はLPからのリッピングで十分ですね(笑

CocaCola & iTunes Music Store

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コカ・コーラを飲んでiTunesの曲をもらおうという キャンペーン 、とりあえず当たりました。 今のところ1本飲んで1曲なので確率的には100%。 さて、何をダウンロードしようか。やはり話題のリンゴ・スターかなぁ。

信州上田でSapatos

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8月25日に信州上田のちょっとした夏祭りに行ってきました。 旧北国街道の町並みを残す「 柳町商店街 」の夏祭りでSapatosがライブを行ないました。 実はボクの実家はこのすぐ近所。実家の両親の携帯をドコモのファミリー割引MAXにする手続きをすべくこの柳町にあるドコモショップへ来て、そのついでに祭りを見物しながらSapatosのライブも見てしまおうという計画です。 柳町といっても200mくらいの通りが残っているだけで、リンク先のサイトなどで様子を見てもらうのが一番なんですが、まぁよくある街づくりというかそういうものの一環かと。ここに構える歴史ある造り酒屋とIターンのそば屋のオヤヂ辺りが仕掛人かな? でも信州とはいえ、上田は盆地なので暑い! しかも午後3時から。Sapatosのお二人+パーカッションの西田さんも直射日光をモロに浴びてかなり大変そう。ぶっ倒れるんじゃないかとヒヤヒヤしましたが(笑、無事演奏も終了。 ボクは1セット見ておひねり入れて家に帰ってしまいましたが、この後夜からはそのそば屋の二階で大騒ぎ・・それじゃ山下洋輔か、そば屋の二階でボサノバライブを行なったそうです。

訃報 富樫雅彦

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ここ数年はほぼ引退状態だった富樫雅彦さんが亡くなりました。 キャリア開始が非常に若かったので、日本のジャズ史のあちこちに顔を出しますが、実はまだ67歳。ジョン・レノンと同い年ですね。 写真は1975年のSpiritual Nature。 一般的に最高傑作あるいは代表作と看做されているアルバムです。 最高傑作には違いないが代表作かと言われるとちょっと違うかなと思いますが。 富樫さんのライブを観たのは実は1回だけ。 もう20年前になるのかな。スティーブ・レイシーらとのトリオでツアーした時。その時点ですら、富樫雅彦のライブを体験できる・・・というのはかなり貴重だったように記憶しています。 富 樫さんを含むトリオでの演奏と、スティーブ・レイシーのソロ演奏と二日続けてライブをしたのか、まずソロで1セットやってから場所を変えてトリオで演奏し たのか、記憶が定かでないのですが、とにかく夏の菅平でレイシーを体験し、富樫を味わうというフリージャズ堪能の日を過ごしたことだけは良く憶えていま す。 と書いていて思い出して来た。このトリオのベースが若いフランス人で、レイシーのソロの後に印象を話し合ったんだ。だから、レイシーのソロ、富樫を含めたトリオという順番ではなかったかな? ともあれ、長年にわたり日本のジャズの最先端を突っ走ってきた・・というよりほとんど孤高とも言うべき活動で、彼の天才を理解できるプレイヤーも日本にはほとんどいなかったようにも思えますが、これでやっとその孤独からも解放されるのかもしれません。 60年代のジャズプレイヤーの例に漏れず、富樫雅彦の60年代も典型的な破滅型ジャズミュージシャンだったようです。決してその人を貶めるつもりはありませんが、「事故」で下半身不随になったというのも本来は「事件」として語られるものであることを追記しておきます。

夢のひと/松村雄策

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本日8月22日は松村雄策のアルバム3作が復刻再発されてます。 会社の帰りにHMVで買ってこようと思っていたのだけど、思ったより仕事が長引き断念。 こんなもん、誰が買うんだ!? と思うけど意外と人気あるみたいでして、ディスクユニオンでは3枚まとめた松村セットを売り出すみたいだし、サイン会も開催するらしい。 まぁ、「あなたがわかってくれなかったからぼくはとってもさびしかった」とか「あなたに沈みたい」なんて70年代の日本の「普通のロック」としては最高ですからね。ただ逆に今さら買うのは恥ずかしいような気もする・・・ 根が演歌や歌謡曲で大人になってからロックに目覚めたような人(実は多数派)はどうしても肩肘張ったロックになっちゃって聴いたり観たりすると痛々しいものがありますが、こういう骨の髄からロックな人は当然のように「普通のロック」が演れるんですよね。 さて、「夢のひと」ですら再発されるんだから、次は自滅回路の発掘かイターナウ(EterNow ) の再発ですね。待ってます!

Bickershaw Festival 1972

初めて知ったのですが、1972年にサイケ系バンドを集めた野外フェスティバル「Bickershaw Festival」というのが英国で開催されていたんですね。 3日間にわたって開催され、大雨と泥まみれの辺りはウッドストックみたいだったようですが。 大トリはGrateful Dead。その他の出演者はN.R.P.S., The Kinks, Incredible String Band, Country Joe McDonald, Donovan, Brinsley Schwarz, The Flamin' Groovies, Dr.John そして Captain Beefheart & His Magic Band。 1972年のマジック・バンドって黄金のラインナップじゃん!! Rockette MortonにRoy Estrada, それとElliot IngberにArt Trippたち。 実際に観てきた人の話によると演奏は最高だったようですし、客先にいたロンドンの学生ジョン・メラー君も生涯観た中でも最高のコンサートだったと絶賛していたそうです。 (ちなみにジョン・メラーは後にThe Clashを結成しジョー・ストラマーと名乗る・・・) まずはこの時のCDがリリースされました。とりあえず注文中ですが待ち切れず・・ 一足先にリリースされた英国では、演奏最高音質最低という評価がされているようです。でもこの黄金期のMagic Bandの音源なんだからあまり贅沢を言ってはいられないと思いますけどね。 Bickershaw FestivalのDVDも今月末に(本国で)リリース予定。 これまた賛否両論みたいでして(笑、映画のWoodstockやワイト等のドキュメンタリーを想定して買うと酷い目に遭うぞという評価から、あの時の雰囲気が伝わってくる最高じゃぁという評価まで様々。 とりあえずお値段次第で買ってみようかなぁです。今のところ日本のAmazonでは買えないみたいだし。

We'll Never Turn Back / Mavis Staple

Staple SingersのリードボーカリストであったMavis Stapleの新作「We'll Never Turn Back」。 本国ではずいぶん前に発売されているのですが、日本盤もようやくにして今月末発売の模様。 このアルバムタイトル、アルバムジャケットからして、往年のソウル、それも公民権運動盛り上がる時代のソウルを蘇らせるかのよう。 ジャケットを開くと・・・Mavisの父親Popsがマーチン・ルーサー・キング牧師と並んで映る写真が目に入り、否応でもこのアルバムのコンセプトが何かを訴えてきます。 曲は基本的にトラディショナルとRy Cooderとの共作曲。Ry Cooder!? 実はこのアルバムのプロデューサーはRy Cooder。バックはRyとJoachimのCooder親子、その人脈でジム・ケルトナーなど。 音の方は強力なルーツ系R&B、ゴスペル。Staple SingersやMavis/Princeの音とはちょっと違い、もっと真っ黒系。 むしろRy CooderのBop Till You Drop辺りの音を思い浮かべ、Bobby KingのボーカルをMavisに置き換えてもらえると判り易いかもしれません。 21世紀にこのような強力で正統派なR&B〜ゴスペルアルバムが出てくるとは。もちろん良い意味で驚きですが。 でも逆に、21世紀になったのに心ある人々が未だにこのような公民権運動の流れを汲むメッセージ色が強いアルバムを出さざるを得ないアメリカの現実というのがあるのかもしれません。

太陽と戦慄

むぅー、太陽と戦慄収録の名曲「Easy Money」がTV-CMに使われている・・ 例によって何のCMか不明。 豊田の自動車のCMです。車名は不明(というか興味ないので憶える気がない)、オダギリジョー(?)が出ているやつです。 クリムゾンというと「21世紀の精神異常者」がCMが使われたことがあって、そもそもこんなタイトルの曲をCMで流して大丈夫かと余計な心配をしたものです。 せっかく「イージー・マネー」を使ったのだから、例のボヨョ〜ンというフレーズのところを使って欲しかったなぁ(笑 クルマのCMというと、往年のホンダのCMでクラプトンが使われたことがあり、あの時は「おぉ〜、CMでクラプトンの曲がかかっているよ〜」と大騒ぎ(笑 結局ホンダのCMというのは判ったのですが、車種が何だったかは誰も憶えていない・・・それほどCMでロックが使われるのが珍しい時代もあったのですよ。 そういえば、欠陥車ばかり作る3菱自動車がドミノスの「Layla」を使っていたこともありましたね。あのCMはシリーズモノだったかな? お嫁に行く娘が最後に父親と欠陥車でドライブに行くというシチュエーションのものがあって、でも父親の姿を出さない、しかも曲はLayla。 知っている人が見れば、お嫁に行くので不倫相手のパパと清算するのというシチュエーションにしか読めないCMでした。

警察沙汰?

なんかなぁ 作家はともかく、「パンク歌手」という表現には思い切り違和感があるけど、それより中身の方がよほど違和感ありますねぇ。 しかし情けない。あの町田町蔵が、歌謡ロック野郎とつるんでいるだけでも日和ったとか言われかねないのに、こともあろうに殴られました、怪我しましたと警察に届け出。何を考えているんだ!? いつもは警察は権力の犬だとか反体制風言動をしているくせに、いざとなると二言目には「警察に訴える」とか言い出す心情左翼や自称ラディカリストな方々とそっくり。サークル内の事はサークル内で処理して、つまらん事に税金を使わせないでくれよ。

Rock 'n' Roll Fantasy Camp

へぇー、「 Rock 'n' Roll Fantasy Camp 」というのは、ミュージシャンとジャムが出来るんですね。 だいたい1万5千ドル(日本円で200万円弱)。 これで、開催地にもよるけど、プリンスとかビリー・ジョエル、ビル・ワイマンにジャック・ブルース、ニール・マーレイあるいはサイモン・カークにミック・ラルフスといった面々とジャムれるんですよ。ちゃんとリハーサルも一緒にやるそうだし、場合によってはミュージシャンから直接教えを請う事も可能らしい。 これは盲点だったなぁ、現役をしりぞきつつある、でも世界的な有名で数多くのファンを抱えるミュージシャンは、こういう老後もありだったのか。 そもそも演奏すること、歌う事が死ぬほど好きという人たちばかりだから、金を稼げるなんて二の次で、楽しくしょうがないだろうなぁ。 しかし一晩のジャム参加に何万ドルもポンと払える参加者も凄いもんがあります。

Steve Forbert / Strange Names and New Sensations

Steve Forbertの新作「Strange Names and New Sensations」を購入。 ジャケットには白髪交じりのスティーブの姿もあります。デビューから30年以上、童顔で若手のSSWだったスティーブ・フォーバートもすっかりベテランかつ孤高のSSWになりつつありますね。 今回のアルバムの目玉は2曲。 最初の大ヒット曲「Romeo's Tune」のセルフ・カバー。 当時の若々しく元気なバージョンとは一転、最近のライブでも聴ける落ち着いたアコースティック系バージョン。でもどこをどうアレンジしても「ロメオの歌」、「スティーブ・フォーバート」以外の何者でもないですねぇ。とにかく名曲。 もう1曲は彼にしてはかなりストレートな反戦ソング「The Baghdad Dream」。 彼のサイト SteveForbert.com ではずいぶん前から デモ版が公開 されていましたが、これでようやく正式リリース。 こういう地味だけど良質な活動をしているSSWが頑張っていて、しかもきちんと社会的なメッセージも発しているというのはある意味羨ましいですね。

Santo Domingo

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自由が丘の裏手、Loftの入っているビルの看板です。 Santo Domingo 四半世紀も昔に存在した伝説のお店が、看板だけ未だに残っていたとは・・奇跡的。

Lou Ann Barton

いぇねぇ、こういうのを見ると歳を感じますね。 テキサスの女性白人ブルース・シンガーであるルー・アン・バートンが1982年に発表した初ソロアルバム。目出たくCDで再発です。 もう25年も経っちゃったのか。 1982年というと南部風サウンドも一緒にAOR方面へ行ってしまった頃でして、このソロもマッスル・ショールズ録音かつジェリー・ウェクスラーのプロデュースということもあり、南部鉄血ブルースシンガーというよりやや甘みのある、どちらかというとサザン・ソウル風音作りになってます。 特筆すべきはFrankie Millerの曲が2曲もカバーされていること。 なぜ、スコティッシュ・ファンキーロックの帝王であるフランキー・ミラーがカバーされているのか、詳細は判らないんですが、Frankie大好き人間としてはその点もポイント高し。 南部のソウルやR&Bに憧れる英国人であるフランキー・ミラーの曲を、生っ粋のテキサンだけど白人でありかつ女性というこの業界では二重苦を負ったルー・アン・バートンが歌い、バックをおそらく両者の憧れでもあったであろうマッスル・ショールズのミュージシャンが務める。 このねじくれた関係を面白いと思うか、興味深いと思えるかでアルバムの良さも変わってきてしまいそうですね。

Keith Richards / Only Found Out Yesterday

パイレーツ・オブ・カリビアンという映画、ジョニー・デップが主演だし映画としても上質な部類だと思うのですが、三部作の最終作を日本語吹き替え版で観てきました。 もちろんお目当てはKeith Richardsのカメオ出演! おぉー、こんな場面でこういう役柄で出演ですかぁ!! 出て来た瞬間、館内全員思わず息を呑み手を握りしめて画面を凝視しました・・・「ちゃっ、ちゃんとセリフ喋れるんだろうか!?」 というのは大げさげですが、でもまぁ無難にこなせたようです。 ジョニー・デップがジャック・スパローの役作りの参考にしたからとか、まぁロックファンにしてみれば何を今さらのファッションですけどね。 あの頃のキースのファッションは、ドールズにジョニー・サンダース、あるいは日本ではRCとか、みりゃ判るだろうというほど野影響力を持っていたんだけど、そう思っていたのはストーンズファンだけで、どうも一般的には知られていなかったみたいですね。 しかし、キースとこの映画との関連で一番のニュースは、新曲(?)である「Only Found Out Yesterday」が聴けること。 なんてことはない、アコースティングインストですけど、サントラにも入っていないし、今のところこれを聴くには映画館に足を運ぶしかない! ということで、キースファンにとってはマストな映画になっていると思われます。

Yello Submarine

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ウィー・オール・リブ・イン・ア・イエロ・サブマリン 懐かしのイエロー・サブマリン音頭が頭の中で鳴り響くような絵ですな。 この怪しいような懐かしいような物体。 実はあのマイクロソフトの共同創立者で世界で3番目くらいのお金持ちであるポール・アレンさんの自家用潜水艦。 詳しい記事はここ 。 そうかぁ、やはり筋金入りのロック野郎だし、普通にクルマなんか買って乗っても面白くもなんともないものなぁ。となれば、こういうプライベート潜水艦を作って、アニメとビートルズの世界を再現することに命をかけなくちゃ。これぞ由緒正しいビートルズフリーク。 さてこの写真も潜水艦。 昔、アメリカ太平洋艦隊の知り合いから借金のカタに取り上げたもの。 今はこうしてハワイの業者に貸し出して、観光潜水艦として観光客を乗せ稼いでいます、わっはっは。 ってジョージ川口じゃないんだからさ(笑

Club333

ちょっと遅くなりましたが、ボサノバ・ユニット「SAPATOS」ライブのご報告。 東京タワーの大展望台にあるClub333では毎週水曜日と木曜日の夜にライブをやっているのですが、毎月初の木曜日はSAPATOSがレギュラー出演してます。 実はちょっとした知人でもあり、Club333のライブは地元ということで出来る限り顔を出すようにしてます。 で、今月はなぜかクルマ関係の知人(実はSAPATOSの木村さんもクルマ関係)がぞろぞろ。いつもの月は2,3人なんですが、今月は棚ぼたじゃない、七夕なので同伴ありでぞろぞろ。軽くいつもの倍は来てまして、さすが浴衣無料というだけあり盛況。

Dennis Wilson / Pacific Ocean Blue

そうか、今年はこの「Pacific Ocean Blue」発売30周年、そして来年はデニス・ウィルソン没後25年。 それで「断絶」が出たりして、こっそりデニス・ウィルソン・トリビュートが始まっているんだな!? とにかく15年前にCD化されたままで、今やそのCDすら中古で1万円オーバー。なんでLPの時に買っておかなかったのか悔やまれる1枚です。 でも今年か来年には、このPacific Ocean Blueのリマスターが、幻の2nd「Bamboo」とのカップリングで”公式に”再発されるんだろうと勝手に期待しています。 BB5の中で唯一の本物のサーファー。酒飲みでジャンキーでロマンチックなカリフォルニア野郎。 音楽的才能がないから兄貴達からドラマーをやらされたという逸話もあるけど、歌う才能に関しては実は兄弟の中では一番かも。 昔と違って、その証拠となる映像もズラズラ出せるというのがいいね。 この映像(というか音)はFarewell My Friend。 酔ってL.A。のマリナ・デル・レイの海中に沈んだデニスの、葬式でも流された曰く付きの曲。

サム・フィリップス♀

サム・フィリップス、エルビスを発掘したあのサム・フィリップスじゃなくて、女性シンガーの方。 オルタナ・ポップなアーティストとして、あるいはT−ボーン・バーネット(元)夫人として有名な人ですが、ぼけっとTVを見ていたら、映画「ダイ・ハード3」に出ているのを発見。 女優もやっていたのかぁ。 女優、シンガー、良い曲も書くし、音も単なるポップではないアバンギャルドな音。おまけに美人(笑 90年代の諸作は旦那のプロデュースということもあり愛聴していましたが、個人的にはこの「Cruel Inventions」と「Martinis and Bikinis」が特に好き。というか、90年代T-ボーン・バーネットのマスターピース的アルバムだと思います。 しかし、女優もやっていたのかぁ(しつこい)。 唇の薄いあたり、たしかに悪女役が似合いますね。

ニール・ヤング 愛

最新のレコードコレクター誌を読んでいたら「ニール・ヤングはあまり頭がよろしくない」というような発言を発見。 でもそれって、むかーしから言われていることだよね。手許にある最古の記録はAfter The Goldrushの日本盤ライナーかな。さすがにその頃だとその歌声から想像したのかナイーブな青年だと思われていたらしいく、頭が悪いのどうのこうのという記述はなし。 そして70年代も進み、音楽ジャーナリストが直接本人にインタビューするようになったり、来日したりすると、ぼつぼつと「脳みそが溶けちゃってる人」とか「本能の人」といった表現がされるようになったかと記憶してます。 でもロジカルに理詰めでパフォーマンスをするのではなく、本能的に感覚的に発言し表現することこそがニール・ヤングであり、青臭いとかいう言われ方をされたとしても、今のアメリカに対する違和感をストレートに表現できているんでしょうね。 振り返ってみれば、60年代末学園闘争の時期のOhio、パンクをニールなりに解釈したRust Never Sleeps、湾岸戦争への違和感Weld、アメリカへの違和感と告発のGreendale。解釈不要、おかしいと思うものはおかしい! という彼の姿勢はこの40年間全く変わっていません。だからこそ音楽のスタイルなどはころころ変わってもファン層は増えるばかり。 そしてバカのブッシュに対抗するには、こういう本能と感覚で表現する人がうってつけなんだろうね。ヒラリーで大丈夫かいな。