Dennis Wilson
待望のデニス・ウィルソン「Pacific Ocean Blue」のCDが到着。 いや、これは嬉しい。聴きまくっています。既に3回くらい聴いた(笑 CD2枚組で、1枚目はPacific Ocean Blueにボーナストラックを追加したもの。 2枚目はその時のアウトテイクと彼の2ndソロとして企画していた「Bambu」用に録音されたもの。幻のBambuが蘇ったわけでして、なんかBB5の「Smile」みたいなものですかね。 Pacificの方はデニスの名曲、名演、名唱が再びたっぷり聴けるようになったので誠に嬉しい。 問題の2枚目、Bambuの方。これは想像以上に良いです。当時ちゃんとリリースしていれば(というかそれ以前に完成していれば)相当な話題になっただろうし、デニス・ウィルソンも正当な評価をしてもらえたんじゃないでしょうか。なんでこれを「コマーシャルじゃない」と判断したんだろうな、レコード会社は。 具体的な音としては、バン・ダイク・パークスとかLA周辺の連中をかき集め、ニルソンの「プッシー・キャット」みたいなゴージャスなサウンドに仕立てたところにデニスのハスキーボイスが絡み、かつ曲も最高。 70年代後半から80年代初頭にかけてのロサンジェルス一帯の爛れたデカダンスな雰囲気を音にしたようなものですね。 だいたいデニス自身、60年代後半からメチャクチャな人生を送っていて、チャールズ・マンソン一派との関わりとか、アル中問題とか、節操のない女性関係とか、LA/西海岸の表の面よりもダークサイドの方を代表する暮らしをしていたので、結果としてこのような音になったのでしょうね。 でも音楽に関する才能はもう天才としか言いようがないです。こんなにロマンチックな曲がかけ、ナイーブな歌詞を書き、あんな声なのに誰にも歌えないように美しく歌う。 一度デニスの人生を知り、彼の音楽を聴いてしまうとその魅力から逃れようがないのでは。 下に紹介するルイス・シャイナーの「グリンプス」。シャイナーはサイバーパンクなSF小説を書くのですが、どれも男の子にとってはかなりロマンティック。 このSF小説はタイムトリップしてドアーズやジミヘンやブライアン・ウィルソンのアルバム制作を手伝うというストーリーなのですが、ブライアン・ウィルソンの場面でデニスがちょこっと描かれています。それがもうデニスの人となりを知っているか