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4月, 2007の投稿を表示しています

Spooky

TVはつけっ放しだけど単なるBGM代わり、音だけ聞くけど映像は見ない・・・という人も多そうな昨今(笑 ダスティ・スプリングフィールドの「Spooky」が流れていて、おぉー60年代! 今聞くとオシャレだよなぁと思っていたら、なんとソフトバンクモバイルのCMだったのかぁ。 さすがのボクもダスティ版(というかオリジナル)はリアルタイムじゃないです。初めて聴いたのはたしかアトランタ・リズム・セクション版。これも渋いな。 リアルタイムでのダスティ・スプリングフィールドの思い出となると、どうしてもあの悪夢のようなペット・ショップ・ボーイズとのコラボ。メンフィス録音の「イン・メンフィス」が再発されるようになって始めて、あぁこの人は実はUK屈指のホワイトソウルシンガーで、めちゃくちゃ歌が上手い上に黒く歌わずともソウルを感じさせる凄い人なんだということが分かりました。 ショービズの人だと思っていたら実はこっち側の人だったということなんですね。まぁそりゃそうだ、スィンギングロンドンの時代に英国の芸能人やってて、ビートルズやソウルで気が触れた人たちって結構いるし。 しかし、美空ひばりもあの時代にメンフィスで録音していてくれればなぁ・・・

twelve

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パティ・スミスの新作「 Twelve 」。 ”私のアイドルはジミ・ヘンドリクスとブライアン・ジョーンズとオスカー・ワイルド”という発言もあったパティが、そうしたアイドル達や同時代のミュージシャン、新しめの音楽までをカバーしたアルバムです。 例えばGimme Shelter。この曲を今この時代にパティが歌うとなると、どうしてもプロテスト・ソングの側面を期待しちゃいますが、ちょっと引いた感じでカバー。 単純に好きな曲をカバーしたというより、新しい解釈によりオリジナルに深い意味を与え、曲を歌を再生する作業の結果による12曲。往年のブライアン・フェリーのやり方に近いのかも。 さらに聴き込むとさらに別の発見がありそう。当分の間はヘビーローテーションで聴かなければ。 パティ自身によるライナーを読んでいたら、パティが初めてニール・ヤングの「Helpless」をいいなと思ったのは、ニール・ヤング主催のベネフィットコンサートで生ニールを聴いた時だそうで。やっぱりヒッピー的なものとは無関係な60年代を過ごしていたんですね。というより、たぶんそうしたものを憎悪していたんだろうなぁ。 しかし、パティ・スミスって1975年にメジャーデビューし、1979年のWaveでいったん引退。たった数年の活動で世界の価値観を変えてしまったんだよなぁ。それだけでも十分伝説なのに、60歳になった今も最前線にいるというのが凄いです。 また来日して欲しいものです。

Young Americans

久々にリアル店舗でCDを買ってしまいました。 一番の目的はパティ・スミスの最新作だったのだけど、ついこんなものを。 でも、こんなモン呼ばわりしてしまったけど、ボウイの傑作には違いないです。 1975年作。本来なら2年前に30周年記念盤として出ていたはずなんですが、諸々手違いがあったもようで32年目にして決定版の再発。 この時期、グラム時代に区切りを付けたボウイが向かった先はアメリカのソウル/ファンク。バックも有名無名のその手の米国人ミュージシャンがずらり。おまけにジョン・レノンまで引っ張り出してきて、Across The Universeをカバーするという入れ込みよう。 本人はプラスティック・ソウルと自嘲していたけど、フィリーソウルだったりファンクだったりで、当時の米国黒人音楽の最先端。 しかし、これだけの力作、傑作にも関らず、当時の米国でのセールスはさっぱり。シングルはたしかにヒットしたんだけどね。 今になって振り返ってみると、プラスティックソウルとはいえ当時才能のピークを迎えていたボウイなので、普通の人にはさっぱりわからないほど最先端の音楽になっちゃっていたんだなぁと。ソウルに限らず、ロック的にも70年代のロックのピークとも言えるんじゃないかな。 このYoung Americansと次のStation To Stationでソウル/ファンクに関しては黒人、白人問わず最高レベルの作品を連発したのに、米国ではさっぱり売れず、ボウイはベルリンに向かう訳ですね。

Fender Telecaster

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いわゆる食玩。 先月会社の近くのコンビニへお昼を買いに行った時に見つけ、会社帰りに買おうと思っていたら、夜には既に完売してまして、それ以来なかなか見つからなかった「フェンダー・ギター・コレクション」シリーズを発見。 とりあえず2箱を購入。 出て来たのはジャズ・マスターとテレキャス・シンライン。 写真は組み立て前のシンライン。 1952年のテレキャスが出てくれば大当たりだったんだけどねぇ。 あ、もちろんキース御用達のギターと同じというのがその理由です。 こうなりゃ見つけ次第、大人買いするしかないかな。

サン=ジェルマン=デ=プレ入門

パリとくればボリス・ヴィアン。その彼がパリが世界の中心であった頃のそのまた中心で新しい文化や感覚の発信地であったサンジェルマンデュプレを紹介しているのがこの作品です。 長く絶版になっていたのがようやく復刊。 ギャング、実存主義、シュールレアリズムそしてジャズとエキゾチシズム。そんなパリの雰囲気を知りたければこれを読め! ですね。50年前の話ですけど。

エトランジェたちのパリ

国立新美術館で開催中の「 異邦人(エトランジェ)たちのパリ 」展、これはいいですよ。 パリというのはフランス革命以降、18世紀から20世紀中盤まで、確実に世界の文化の中心地であった訳で、そこで認められよう、一肌上げようと多くのアーティストが集ってきてました。またジャポネスクやジャズに代表されるように比較的異文化にも寛容だったので、自国を追われた者たちも受け入れられ易かったのでしょうね。 とにかくポンピドーセンターの協力のもと、そうしたエトランジェたちの作品が展示されていて、じっくり見れば3時間コースです。 しかし、デュシャンの「泉」ってSFMoMAでも見たような気がするなぁ、世界中に何点同じ作品があるんだろう?

成毛滋氏逝去

成毛(なるも)さんというと、ウッドストックを体験した数少ない日本人として有名だけど、現役ミュージシャンとして知っている人はもう少ないのだろうなぁ。 ボクもロックを意識的に聴き始めたのは中学生になった1973年前後。その頃、既に成毛さんはロック評論家、ギター評論家/インストラクターとしての活動の方が多くて、ミュージシャン成毛としてはあまり意識していなかったものね。 とはいえ、日本の音楽史の裏側で次の時代への種まきをし続けた成毛さんに、僕たちは感謝しなければならないと思います。

Uncut

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UNCUT という英国の音楽雑誌があります。 いわゆるクラシック・ロックがメインなんですけど、ちゃんと最新のバンドもカバーしているし、映画やDVDも取り上げられていて、まぁこのブログと同じような内容ですね(笑 それに最近は洋書を置いている書店ならかなりの確率で見つけられます。 で、この雑誌がここ数年の情報源でもあり愛読雑誌でもあります。 特集にフィーチャーされるアーティストもちょっとマニアックだし、ロック史の裏話、歴史的現場のレポート等々、もう何度も読みふけってしまいます。 あ、それにおまけのCDもなかなかセンスいいですし。 これからこのブログでも最新号の記事を引用しながら紹介していきたいと思ってます。 英国雑誌だし流通量も少ないし、どうしても最新号を日本国内で入手するまで時間がかかるのですが、まぁそこら辺は速報性を求められるような記事でもないので、気にしないということで。

Hannibal Rising

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ハンニバル・ライジング 上巻 (1) トマス・ハリスの5作目。レクター博士シリーズでは4作目。 レクター博士の生い立ちを描くもので、映画も4月21日から日本公開開始。 えっと、トマス・ハリスは「羊たちの沈黙」以前は「ブラック・サンデー」と「レッド・ドラゴン」で知られる作家でして、どちらも重厚長大な作風だったのですが「羊たちの沈黙」のメガヒット以降、レクター博士シリーズとして発表された「ハンニバル」、「ハンニバル・ライジング」は作風がかなり変化しちゃいましたね。よく言えばライトに読み易く、悪く言うと・・・やめとこ。 でもこのハンニバル・ライジングは前作よりは出来が良いのではないでしょうかね。ただクライマックスのシーンが劇画調だったり、昔だったら数ページかけて描くようなシーンを数行で済ませたりしているので、もはやあの作風を期待しちゃダメです。 とはいうものの、そもそもレクター博士の出身がリトアニアだったり、戦後のパリと対独協力者狩りの様子が描かれていたり、さらには欧米の読者にとっては日本文化自体がエキセントリックだったりで、読みこなし理解するにはやはりそれなりの知的作業が必要なのものたしか。その点ではトマス・ハリスという人自体は変わってないのかもしれないですね。 初期のトマス・ハリスと比べればちょっと・・ですが、小説単体としては結構良いのでは。