Running On Emptyといってもジャクソン・ブラウンじゃなくて、シドニー・ルメット監督リバー・フェニックス主演の映画「旅立ちの時」の方。 この映画の中の重要な場面とラストでも使われているのがジェイムス・テイラーの「ファイヤー・アンド・レイン」。映画館では観る事ができなかったけどその後深夜TVでも放映され、DVDをレンタルし、その度に胸が締め付けられるほどの切なさにいたたまれなくなる映画と曲です。 映画の方は60年代末から70年代初頭の激動の時代に活動家としてFBIから追われる身になった夫婦とその子供達の物語。 この曲Fire and Rainはその夫婦のもとにかつての活動家仲間が集まるパーティシーンで流れます。まさに火も雨も経験した人々が別れざるを得なかった人々を思い踊るシーンが忘れ難いです。 そしてラスト、親と子がそれぞれの幸せを願いつつ別れるシーン。ここで再び同じ曲が、いつか再会できるであろうという希望を願う歌として使われています。 Fire and Rain、その曲単独でも素晴らしい曲なんですが、ボクにとってはこの映画で使われたことでさらに印象深く忘れられない名曲となりました。ちょうど最初の結婚をした頃でもあるし(笑 最近なんどか思わぬところでこの曲を耳にする機会があり、思わずセンチになってしまいました。 リバー・フェニックスは早すぎる死を迎え、ジェイムス・テイラーはすっかり髪が抜け、この映画を一緒に観た女性とは既に別れ、ボクもまた新らたな転機を迎えつつあり・・・いつになくジェイムス・テイラーの声が心に染み、映画の親子のその後に思いを馳せています。 Amazon.co.jp ウィジェット
Foghatの創始者はLonesome Dave Peverett。あたまに"Lonesome"が付くのは、シャイで静かなプライベートライフから付けられたあだなです(でもライブではメチャクチャ派手)。 1960 年代後半に一世を風靡していた、ブリティッシュ・ブルーズ・ロックシーンの中で、Fleetwood Mac(全然別のバンドになって今も?存続中)、Chicken Shackと並ぶ3大ブルースバンドと称されたSavoy Brown(Kim Simondsをリーダーに今も活動中)でリズム・ギターを担当していたLonesome Daveが、ベースのTony Stevens、ドラムのRoger Earlと一緒にバンドを抜け、リードギターにRod Priceを加えて1971年にFoghatを結成します。 そして、いきなり活動の拠点をアメリカに移し(好きなブルースマンが沢山いるから)、Beasvilleレーベルと契約し(新興かつ小規模、だけど敏腕経営者がいるので)、1972年のこの1stアルバムを発表します。録音はRockfieldスタジオでプロデューサーはデイブ・エドモンズ! ゲストにはトッド・ラングレン(たぶんBeasvilleからのお目付役)やアンディ・フェアウェザー・ロウ(AFL)などが。 元Savoy BrownがDave EdmundsプロデュースでBeasvilleレーベルからウェールズ録音のアルバムを出す。これじゃぁどんな内容か想像も付きませんが、実際はいたってシンプル。Savoy Brownからブルース味を多少薄め、薄くなったところにR&B風味を足し、切れ味も良くした音を出しています。 彼等のライブでの定番になる「I Just Want to Make Love to You」(Willie Dixonのカバー)で幕を開けるごきげんなハード・ブギ・アルバムです。
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